内容説明
本書は、二つの論文「紀年の延長―そのからくりの解明と復元」、および「卑弥呼と冢―魏志倭人伝の問題点を探る」から成る。前の論文では、古代日本の紀年が大幅に延長されていることに疑問をもち、そのからくりについて解明を試み、『紀』の紀年が干支一連の暦法に基づいて構築されていると考え、紀年が三、四倍延長されているとした。後の論文は、右の三、四倍説の裏付けとして、『倭人伝』の問題点やその他疑問点から論証を試みて、卑弥呼・台与の年代が、右論文で復元された天皇の年代と正に整合し、そこから卑弥呼が当時の県主の女であること、台与が孝霊天皇の皇女であることを突き止めた。
目次
卑弥呼と冢―魏志倭人伝の問題点を探る(『倭人伝』の人名;卑弥呼と男弟;倭国大乱の原因;狗奴国とその文化圏 ほか)
付録 紀年の延長―そのからくりの解明と復元(紀年延長のからくり;紀年の復元;紀年復元の傍証;120年延長のからくり)