内容説明
藩主後見役に任じられた元藩主の樺島直篤が隠居所に篭ったまま動く様子を見せないため、定海藩は混迷の渦中にあった。筧忠兵衛は、いまだ失意の中にいる紗智に田宮伴内自刃を報せに行き、冷たく拒絶される。そんな中、謎の投げ文によって、南町奉行所臨時回り同心の岸井千蔵は一連の事件が天明の鬼六一家の企てであったことを掴むのだが。書き下ろし長編時代小説、怒涛の第十四弾。
著者等紹介
芝村凉也[シバムラリョウヤ]
1961年宮城県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。二十数年のサラリーマン生活を経て著述活動に入る。前職退職直前より小説の執筆を開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
63
返り忠兵衛 江戸見聞「刃風閃く」14巻。準備万端で江戸に乗り出して来た天明の鬼六さん、呆気なかったですね。 2022/09/09
tengen
36
老中松平からの通達は、御前亡きあとの後見として直篤を登用する事であった。 守旧派の藩政に戻るのか。 江戸家老佐々木は逐電、次席家老江田は蟄居謹慎、側用人田宮は後の事を元御前右筆水尾庄太郎に託し自害した。 南町同心の岸井千蔵は朝太郎一連の悪行が西海に名を轟かす海賊天名一家の仕業と知る。 神原は天名一家の襲撃に備え浪人を集めるがその中に浅井蔵人の姿があった。 清七の謀反と神原の後ろ盾を見切った天名の鬼六は江戸へ乗り込み南波屋、洲崎屋を襲い皆殺しにする。 天名一家の報復の始まりであった。2017/12/27
kazukitti
7
神原のお膳立てしたこの流れってのは、こう共通の敵に一時は仲違いを収めてってのは少年漫画っぽくて熱い展開だとはいえるけど、わりとこう神原が何やりたいか分からず、鬼六も結局何したいの?ってのが今イチ曖昧なままクライマックスに持ってかれた印象があるんで、おまけに鬼六にえ義経が大陸に渡ってジンギスカンになったの!?的(まぁ死んでるんだろうけどw)なハッキリさせない最期とかで、シリーズ全体にボンヤリ感が付き纏って見えちゃうんだよなぁとか。行間読むとかそういう演出ってんでもなさそうなんで、う~んてモヤりは残るねぇ。2018/09/22
あかんべ
7
朝太郎に続き首魁である鬼六一家の壊滅。そこに神原が大きくかかわっていた。この先孤独な藩主直高の力になれるのか?2014/08/18
トラジ
2
神原の采配で浅井、忠兵衛の連合で立ち向かわれたのでは、鬼六も立つ瀬なし! 呆気なかった。2015/06/01