内容説明
明治天皇に殉死した陸軍大将乃木希典。その遺言書には「伯爵家絶家」が明記されていたが、三年後、ひとたび絶家の後その翌日、旧主毛利家の次男元智をもって再興され、その可否をめぐって世論は沸騰した。この事件の経緯、思想的背景、国家政策との絡み、法律論争のすべてを追求する。
目次
1 戦前の「家」と乃木伯爵家問題
2 乃木希典と静子の殉死
3 希典の遺言書
4 乃木家の歩み―乃木家ゆかりの家々
5 乃木伯爵家の絶家
6 乃木伯爵家の「再興」
7 乃木の家名
8 乃木伯爵家の祖先祭祀
9 神としての乃木
10 乃木伯爵家絶家再興の歴史的意義
11 新乃木伯爵家のその後―伯爵乃木元智から平民毛利元智へ