内容説明
エゾと呼ばれた北方の人間集団を支配した安東一族。大和の天皇中心の政治集団よりは古く、海民・狩猟民として王国を築いて来た。稲作中心の日本史をくつがえす問題の書。
目次
第1章 鬼王の系譜
第2章 安東一族の登場
第3章 北奥の覇権をかけて
第4章 檜山・安東一族と蠣崎・武田氏の台頭
第5章 斗星の北天に在るに似たり
第6章 運命の人・秋田実季
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
moonanddai
7
津軽海峡の北側に住んでいる者としては、蝦夷の地を乗っ取る側Wの武田(松前)氏からの歴史は読んできましたが、乗っ取られる側Wの安東氏側の(詳しい)歴史の読ませていただきました。本来は十三湊の盛衰なんかも知りたかったのですが、執筆時点ではまだ発掘調査が行われていなかったためか、あまり触れていない。ただ、その後(とは本州に拠点を移して以降)特に関ヶ原前後の豊臣・徳川の確執の中で翻弄されるのは(何というか)悲しい。このような地方に生きる豪族は、大なり小なりこのようにして生き(死に)してきたのでしょう。2025/03/01
BIN
3
秋田県の雄、安東一族の解説本。神話の時代から江戸時代初期(安東実季のときまで)を扱っている。安東一族なので道南の蠣崎氏も当然のごとく含まれている。だいたい小説等を読んでいても秋田、青森さらに北海道とかの歴史はあまり出てこないので非常に新鮮だった。元寇のときに樺太方面からも日本を窺っていたとか、応仁の乱より前にもう南部と戦を始めていたとか。他に南部一族、津軽一族もあるので読んでいきたいところです。2014/03/15
午前0時
1
9 こんな本が読みたかった。中々無い、安東・安藤氏の資料に基づいた本。阿弖流為や安東氏など、資料が無いゆえのフィクションは読んだが、史実を知りたかった。資料が無いから誰も書けないのはどうしようもない。そんなところにこの本はそれに応えてくれた。しかし戦後最大の偽書事件を読んでからだったので、まさか偽書に騙されていないよね?って箇所を感じた。安倍晋三さんの件。気のせいか。2024/12/25