内容説明
封建制下最大にして最後の反乱、天草・島原の乱は死傷5万人、4か月をもって終わった。その間、天草の対岸熊本細川藩は情報センター化し、莫大な文書を残した。本書はその一級史料による詳細をきめた実録である。
目次
1 西風烈し(乱発生;豊後目付の指示;島原城包囲;天草キリシタンの峰起―天草四郎と渡辺小左衛門;幕閣震盪;富岡城攻防―城代三宅藤兵衛の討死)
2 冬雲九土を圧す(「公儀御法度書」手桎足枷に;天草渡海の計図―幕府、松平伊豆守を派遣;「島に一兵も居り申さず候」;一揆勢、原城に集結;総大将坂倉重昌討死)
3 不知火炎ゆ(異国船も原城を攻撃―細川光利伊豆守、左門と対面;3代将軍家光、激怒す;原城攻め「干殺し」に)
4 風蕭々(幕府軍勢およそ13万;「城中のかつえ〔餓え〕何とも成らず候」―2月28日落城、細川忠利入城;「虫にても助け候事成りまじく」;功名争い「一所懸命」の武士たち)
5 残陽血の如し(幕軍の討死手負8000人余;「見苦敷き衆多く候」忠利;「一ツの首を二ツにも仕り度く候」;幕府の賞罰と細川藩論功行賞)