内容説明
享楽の園、ヴェーレの宮廷で日々繰り広げられる響宴。隣国アキエロスの世継ぎの王子デイメンは、腹違いの兄に陥れられ、ヴェーレの王子ローレントの前に奴隷として差し出された。手枷と首枷をはめられ、氷の心をもったローレントから屈辱的な扱いを受けるデイメン。しかし彼は心の自由を失ってはいなかった。そんなある日、己のうかつさから鞭打ちという罰を与えられ、ローレントにさらなる憎悪を抱くデイメン。しかし自国の民を救うため、彼はローレントの前に跪くのだった―。宮廷内で蠢く陰謀と愛憎。ふたりの王子の戦いが、幕を開ける。
著者等紹介
パキャット,C.S.[パキャット,C.S.] [Pacat,C.S.]
これまでイタリアのペルージャや東京など、様々な街に住んできた。メルボルン生まれでメルボルン大学を卒業、現在もメルボルンに暮らしながら物語を書いている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
菫子
36
三部作の1作目(原題 CAPTIVE PRINCE)。想像とは違いロマンス成分ゼロで前半は鞭打ちなどの痛々しい場面が多かったけれど重厚な世界観と背徳感に驚きながら読むのをやめられず気づけばどっぶりと浸っていました。デイメンとローレントの間にゆっくり育まれていく靄のような何かや周囲の人々との緻密な心理戦描写や王宮内の煌びやかな装飾などが絡み合いダークで淫靡な作品に仕上がっています。文章が上手いです。直接的な萌えではなく、行間に漂う官能性を楽しみました。ラストで何も解決していないので2作目が楽しみです。2018/06/18
のこ
22
やっと完結巻が出て3巻揃え、満を持して読み始めたが、期待以上に素晴らしかった。文化も政治も異なる敵対する2つの大国アキエロスとヴェーレ、それぞれの国に育った2人の王子、片や褐色の肌に黒髪、武力に長け単純明快正義漢のデイメンと、片や白磁の肌に金髪碧眼、智力に秀で謀略に長けるローレント。何もかもが対照的な2人がどのように苦難を乗り越え、憎しみを愛情に変えて行くのか。初めてデイメンがローレントの前へ引き出された時のローレントの態度や、ローレントの英邁さから、デイメンの正体に気付いてないはずはないと思わせられる。2019/01/13
そらねこ
18
3まであるので最後にまとめます2019/04/06
きょん
17
妾腹の異母兄に陥れられ、無名の奴隷として隣国ヴェーレに贈られた正嫡王子の受難編。父王と兄を戦争で失ったときに幼すぎたため叔父に執政として国の主権を握られているヴェーレの王子ローレントの所有物とされて闘技場送りやら鞭打ちやらいろいろ虐げられています。まだまだ愛には程遠く、ようやく信頼が芽生え始めたかどうかというレベルの二人。続きが楽しみです。2016/04/13
貝殻
10
エラスムスーー!!本編はまだラブ成分ゼロだしSSはトルヴェルドとの甘い生活かなって思ったら威力がありすぎた。いや切ない。続編には登場しそうな雰囲気だけど再会は果たされないというのもまたいいですね(妄想)。本編は続きが楽しみ。海外小説は序盤が冗長なとこある印象だけどこれも結構焦らされましたね。でも海外小説らしいウィットに富んだ切り返しはよかったし張り巡らされた策略も楽しめた。あと美しく強い男が鎖に繋がれたり薬盛られたりの描写が美しかったのもよき。ただ愛憎の天秤、愛にどう傾けるのか全く分からない。2020/06/14
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