内容説明
撃たれた左肩と心臓の手術を終えて「クローク&ダガー」に戻ってきたアドリアンはジェイクとの関係をどうしたらいいか迷っていた。次第に体調も回復してきたある日、改築していた店の同じ建物から古い死体が発見される。それは50年前に失踪したジャズミュージシャンの変わり果てた姿だった。アドリアンはジェイクと調査を開始。カミングアウトし、市警を辞職したジェイクは、探偵の仕事を始めていたのだ。電話一本でジェイクが駆けつけてくれる事に、予期せぬ感情が揺さぶられるアドリアン。かけがえのないお互いの存在を確信しながら、ふたりは半世紀前の謎に挑む―。M/Mミステリの金字塔、ついに完結。
著者等紹介
ラニヨン,ジョシュ[ラニヨン,ジョシュ] [Lanyon,Josh]
ゲイ・ミステリ作家。複数の受賞歴を持ち、十年以上もジャンルの先端を走り続けている。ゲイ小説ジャンルからスタートし、M/Mジャンルを牽引して流れを作ってきた作家の一人。ミステリからアクションまで幅広く執筆
冬斗亜紀[フユトアキ]
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
102
2016年148冊め。1年ほど前にシリーズ1~4巻を一気読みして以来で、最終巻5巻を読んでしまったので正直「これまでの話」の細部は忘れていた。もう傷つきたくない、大切な人を失いたくないからこその葛藤。これはシリーズ最初から一気読みしなければ。2016/03/05
くたくた
55
レイモンド・チャンドラーが全編に引用され、1巻「eのつくアドリアン」という自己紹介から始まった物語は、古びた桟橋の下を流れる瞑い潮汐のように、人々の人生を洗い、流し、やがて聖なるものへと辿り着く。『長いお別れ』のタイトルすら、2人の長い別離と重なって切なくなる。ジョシュ・ラニヨンらしい美しい構成に魅せられる。アドリアンの悩みは身勝手ですらあるけれど、身勝手でいない人間なんているのか?二人とも自分の気持ちと存在に真摯に立ち向かっただけだ。予定調和の影すらみえない人間関係の混線ぶりがむしろ真実味を増す。 2022/02/23
miyu
53
正直ジョシュ・ラニヨン飽きちゃったしアドリアンとジェイクのくっついたり離れたり状態も鼻についてきたし謎解きも面白くないし。。と思いながら読み始めてすみませんでした。全5巻のうち最終巻が特に面白かったので私のように棚上げしたまま忘れてる人がいたら是非読んでみてとオススメしたい。事件は50年も前のコールドケースばりで怪しい人が沢山出てくるし『多分この人が犯人だよね』という想像の域を越えない誘導もどきもあったが、ラストで明かされる真実におおぅ!となった。そしてジェイクの真実にもうわぁ!となり大円団。よかったわ。2019/12/24
はつばあば
49
なんともまぁ・・人の心を推し量るのは難しい。自分の気持ちもままならぬ、ましてや心臓まで。主人公はアドリアンだが、アドリアンを通してジェイク・もしくはこの作家さん自身の成長物語なんだろうと思う。全巻・・外伝は読めてないが、全巻揃って読めた事に感謝する。揃ってなかったらこんなにミステリーと愛(男と女であれゲイであれ)心の内幕・・繊細さを味わえなかっただろう。地に足のついた良質のミステリー小説であり魂の再生の物語。2018/08/25
きなこチロル
47
【AEシリーズ5/完結】恋の傷と死と向き合い、前向きになったアドリアンと憑き物が落ちたように柔らかく穏やかなジェイク。二人と事件は“if”が点々とあってどんな選択したか対照的で人生ってこうなんだろうなと。暗流の中、彷徨い続けながらようやく安息の地を見つけた彼らの未来に幸あれ。アドリアンは割と鈍感なのね。。というか魔性ですかwジェイクに同情するw今はゆっくりと幸せをかみしめてもらいたいけど事件を追ってる二人もいいよなと思う。色々と語り合いたい気持ちいっぱい!《あきらめるにはあまりにつらい夢──。》2015/12/09
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