内容説明
密造酒とフラッパーとガーシュイン…。ニューヨークの街角に生きる顔役、ギャンブラー、踊り子、新聞記者たちの、それぞれの〈アメリカの夢〉。ロマンチックでオカシクて、そして非情。アメリカン・ユーモアの鬼才デイモン・ラニアンの傑作スラップスティック・コメディの一品料理をどうぞ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
8
Dラニアン短編集4つのうちの2冊目。本冊に先立って読んだ第3冊で訳の加島氏による解説から、本作8編中4篇は既読の新潮文庫版掲載13編に含まれているとが判った。但し本冊の8編はいずれも粒選りで、既読だった定評ある「マダム・ラ・ギンプ」や「世界一のお尋ね者」は無論、本冊にのみ掲載の「ユ-モアのセンス」や「ダンシング・ダンのクリスマス」も佳品だ。本冊の最後に加島氏はラニアン作品の映画化舞台化について良い解説をする。文庫の表題にもなり第3短編集にも掲載の「ブロードウェイの天使」はシャーリーテンプルが演じたそうだ。2022/09/18
Hotspur
1
デイモン・ラニアン#2。この巻所収の「マダム・ラ・ギンプ」は映画『ポケット一杯の幸福』の原作。プロットが面白く、映画よりも遙かにシュールな感じがする。他の短篇も含め、登場するのはギャング、いかさま師などろくでもない素性の人間ばかりだが、名前とキャラクターに独特の味があり、捻ったプロットを通じて浮かび上がるそれぞれの喜怒哀楽のなかにラニアンの人間観察の鋭さを見せる。そして各篇いずれもプロットがしっかりしているのが読ませるポイント。2020/10/03
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