内容説明
市場メカニズムに任せるべきだと主張するのに、なぜ不良債権のために、こうも巨額の公的資金を投入せねばならないのか。国鉄の民営化は成功すると主張したのに、なぜ28兆円もの巨額に債務累積は膨らんだのか。そして、なぜ国民の税でそれを負担しなければならないのか。グローバル・スタンダードの名の下に金融自由化を進めれば成功すると主張するのに、なぜ世界中でバブル破綻や通貨・経済危機が連鎖的に波及するのか。もはや、ごく一部の人々を除いて、多くの主流経済学者たちは、自らの理論が現実と乖離しているのを問題だと思う感性さえ失いかけている。
目次
経済の再生のために(なぜ日本経済は活力とモラルを失ったのか;地方財政が危ない;規制緩和という名のドグマ ほか)
2 経済学の想像力(市場の歴史・国家の歴史;「帝国主義」概念と世界史;近未来社会への構想力―アフター・ウォーラーステイン ほか)
3 経済学から社会哲学へ(福祉国家理念の限界;政治と経済の交わる場;経済学における人間像)