目次
短歌とは何だろうか
短歌はどうつくるか
はやわかり短歌史
短歌自分史
短歌の背景と環境
付録 近現代名歌百人一首
著者等紹介
小高賢[コダカケン]
歌人。1944年東京の下町生まれ。慶應義塾大学経済学部で近代日本思想史を専攻。編集者として馬場あき子に会う。1978年「かりん」創刊に参加。現在、編集委員。歌集『本所両国』で第五回若山牧水賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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井月 奎(いづき けい)
42
短歌の作法指南と和歌から短歌への変容をわかりやすく書いています。作法指南はいろいろの方法を書いてくれていますが、究極的にはこう言っています「短歌や俳句は定型詩であり作りやすくやめやすい。とにかく多読多作して人の批評を受けろ」と。なかなかスパルタですな。私が詩や、ともすると小説にも時事性や社会ネタが濃く匂うのが苦手な理由もわかりました。人の心も社会の捉え方も変化するものなのに、その評価を芸術でしてしまうことが乱暴に思えるのです。そのことを言語化させてくれました。面白く読みました。 2022/02/17
太田青磁
5
作品は他人の眼を通過しなければよくならない。上達のためには場が必要なのである・締め切り、選歌、歌会。この三点が結社の入会を勧めるポイントである・短歌は型の文芸でもある。型は修練によって身につく・結社を選択することは、自分の運命を決めることである・参加者に縦横無尽に読み抜かれることになる。そういう研鑽のなかでこそ「読み」の技術は身につく・定型になじむということは身体の修練に似ている・いいわるいとか、好き嫌いという感想の前に、まずたくさん読み抜くことをおすすめしたい・とにかくあれこれいう前につくってみることだ2016/04/08
yomihajime
3
短歌は好きで歌集や短歌雑誌を読んでいるのだが、なんとなく排他的で徒弟制度の匂いのする世界だと思っている。表現や手法で完全に枝分かれしているのに今だに歌壇のようなものが存在し、短歌雑誌には保守から前衛、コピーライターのような歌が仲良く並ぶ。それはそれで面白くもあるが、みんな「歌人」というギルトにどこか安住してるなと疑い深くもなる。そんな思いで読んでみたこの本。どこの世界でもそうだが女性と高齢者が多い結社の存在など,興味深い指摘もある。早わかり短歌史はつまるところ革新は循還するものだという思いを与えてくれた。2013/05/26
MKSzk
1
俵万智の評価が高いのに対し、枡野浩一らかんたん短歌の評価は低いが、黙殺されないだけましというものか。中井英夫は新人発掘に優れた編集者と評されていて、こっちが本業なのだよなあ……としみじみ感じる。あとは時事詠・社会詠は題詠に似ているという説に深く同意。
ミカヅキカゲリ
1
著者の歌人になる経緯が書かれていて、面白かった。2010/04/06