内容説明
新聞100年分、週刊誌6400冊―総計182万ページを分析した驚異の研究本。一番詳しい来日完全ドキュメントも掲載。日本公演50周年記念第2弾。
目次
1962‐1964―“違和感”に彩られた日本人とビートルズとの出会い(日本で初めてビートルズの曲がオンエアされたのはいつ?;東芝音工が日本発売に二の足を踏んだ理由 ほか)
1965―日本国民の大半がビートルズの存在を知った年(“ビートルズ風の強盗犯人”って?;2大ファン・クラブの発足 ほか)
1966―フィーバーのピーク―日本中が沸いた武道館公演(武道館公演のチケットは余っていた?;2000人による驚愕の警備体制 ほか)
1967‐1968―高まる音楽的評価とファンの成長(「ストロベリー・フィールズ~」が投げかけた波紋;流行はビートルズからGSへ ほか)
1969‐1970―忘却、風化、そしてビートルズの終焉(当初は危ぶまれた『イエロー・サブマリン』日本公開;話題の中心はジョンとヨーコへ ほか)
著者等紹介
大村亨[オオムラトオル]
1969年東京生まれ。早稲田大学人間科学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぐうぐう
23
画期的なビートルズ本だ。日本の新聞、雑誌、テレビ、週刊誌が伝えたビートルズ情報を網羅し、時系列で紹介する『「ビートルズと日本」熱狂の記録』。ビートルズを振り返る本はいくつもあったが、新聞100年分、週刊誌6,400冊、総計182万ページを分析するという、ここまで徹底的に調査した本は未だかつてなかったはずだ。日本ではまず、ビートルズは音楽ではなく、現象として取り上げられることが多かった。熱狂的なイギリスのファンの様子、その過熱ぶりを伝える。(つづく)2016/09/27
なん
1
1962-70年のビートルズを、現象として日本人の視点から追いかけた1冊。62年生まれの筆者は必ずしもリアルタイムフォロワーではないが、第一次から若い情報にこだわったその熱量は500頁を超える本書に見て取れる(それだけに、一気読みしようとするとツラくなる事がある)。日本人ファンは本当は大人しく真面目で、ビートルズ旋風は一過性のものと割り切っていた空気があった、という事実を知ることが出来ただけでも得たものが大きかった。2023/05/26
サトル
1
このアーカイブを作り出すために新聞14紙週刊誌18誌音楽誌5誌などを5年間に渡って徹底的に調べ上げたらしい。ややもすれば熱狂的に語られるビートルズ来日公演などが当時の詳らかな記事からリアルタイムの現場のように冷静に伝わって来る。特にミュージックライフ星加ルミ子のロンドン独占取材や協同企画プロモーター永島達司の公演舞台裏などが興味深いが、ビートルズ第一世代のファンの動向や当時の芸能界やテレビラジオ番組の浮足立った対応なども垣間見れて楽しい。ビートルズ後追い世代によって正真正銘の評価が固まったことに安堵する。2022/02/14
りらこ
1
日本での「熱狂前夜」から解散まで。一気に読んだ。海外からの情報を得るのがなんと難しかったことか。当時のジョンとヨーコの日本での扱いも凄い。それから40年以上経った今、その間の出来事を振り返るとなんとも切ない。ビートルズの活動していた数年間は、彼らに熱狂した人、批判的だった人、誰にとっても幸せな時代だったように思えた。リアルに体験してないから、絶対に理解できない空気感があったんだと思うと、すごく羨ましい・・2016/09/22