内容説明
かつて白人マジョリティの拠り所としてアメリカ社会の中軸であった主流教会は、昔日の勢威を失い、世界観的な信憑性をも喪失し、多元主義的現実の前に為すすべを知らないかのようである。しかし著者は、アメリカにおけるオルタナティヴなキリスト教の兆候を様々なケースから読みとることを通して、21世紀に向かう新たな宣教論の可能性を積極的に提示する。
目次
第1部 世紀末のアメリカとキリスト教(脱「キリスト教世界」を生きる教会;差別と暴力の中で;新たな教会形成めざして;宣教論の新たな展開)
第2部 聖書と現代
第3部 中南米の視点からアメリカを見る
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
5
「アメリカで牧師の資格を取るには、まず一般の大学で学ばなければならない。牧師になる人間は、一度は神学以外のある特定の専門分野を学んでおく必要があるというわけである。その後、Master of Divinity(M.Div.)を三年間修める…一年次に神学の基礎を学び、ミッドラーと呼ばれる二年次に一年間の長い教会実習に出かける。実習から帰ってきて、卒業までわずか一年足らず…神学生に求められていることは、よい説教者になることよりも、いかに有能なリタージスト(司式者)やリーダーになるこということのように思える」2017/09/28