内容説明
宣教理解はかくも多様であった。キリスト教の宣教は世界を作り変えてきたが、宣教もまたその時代・文化・文脈に対する応答の中で大きな変容を被ってきた。著者は、新約以来の宣教をめぐる思想史を該博な知識を駆使して遡り、そこにいくつかの基本的なパラダイムが交代してきたことを明らかにする。それぞれのパラダイムの個性、それらが持つ歴史的な必然性と同時にその限界・問題が鮮やかに示される。キリスト教史を振り返り、新たな宣教の方向を模索する者の必読書。
目次
序 宣教―現代の危機
第1部 宣教のための新約聖書の模範(宣教的文書としての新約聖書に関する諸考察;マタイ―弟子作りとしての宣教;ルカ‐使徒言行録―赦しの実践と貧しい者との連帯;パウロにおける宣教―終末論的共同体への招き)
第2部 宣教の歴史的パラダイム(宣教学におけるパラダイムの変化;東方教会の宣教パラダイム;中世ローマ・カトリックの宣教パラダイム;プロテスタント宗教改革における宣教パラダイム)