内容説明
ダビデとサウルが神の歴史の中で光と影を現わしていることは確かである。王国それ自体は人間的秩序であるが、これが神のものとされるとき、そこに光と影が現われ、影が退いて光が明瞭になって行く。しかしこれは単純な移り行きではない。バルトは、ダビデの罪がサウルの罪よりも軽かったのではないと言う。サウルとダビデの物語は、神の恵みの寄跡として、ただ驚嘆とともに読まれるとバルトは書いているが、著者も不十分ながら、いつも驚嘆をもって書きえたことをひそかに喜んでいる。
目次
サムエル記について
第1部 サムエルとサウル(上1‐15章)
第2部 ダビデとサウル(上16‐下8章)
第3部 ダビデ王位継承史(下9‐20章、列王上1‐2章)
第4部 ダビデ物語の補遺(下21‐24章)
付 サムエル記をたたえる