感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いとう・しんご
2
オンデマンド版。全2巻の2巻目。前巻はジグソーパズルのピースを分類して、細かく整理するお話なのでマニアックで全体像が見えにくかったけど、本巻はそれを幾つかの絵柄にまとめ上げて、最後に全体をくみ上げる話なので、ずっと面白く読める。ただし、ブルトマンの初陣の書なので、これを読んで彼の全体を理解した、などと早とちりしないように。本巻で著作集の既刊13巻を概観し終わりましたが、彼の仕事の全体をとおして、聖書と伝統教義を偶像の神とする教会に対する丁寧で真剣な批判と深い信仰を感じ取ることができました。2021/07/18
ちひろん
1
著作集1と併せた共観福音書伝承史の後半部。著作集1と比較すると生活の座という概念がより明瞭に感じられる。内容的にはこちらの方が時代を経てなお強度を保っているように思う。著作集1もだが、断定口調で否定する箇所についてその説明を省くのは、読み辛さを助長する。共観福音書全体をカバーするため分量的にも仕方がないのだろうが、せめて他著者による引用部は分かりやすくして欲しかった。本書が死海文書やナグ・ハマディ写本の発見以前における共観福音書批評の到達点であり限界なのだろう。彼の構想は今なお絶えない火を灯し続けている。2025/06/14
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