感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
13
凄く爽やかな作品ですね。決して綺麗とはいえない部分を個性にして頑張る姉・ちえみと、人生モテることが命の妹・エミを軸に人間関係が描かれていきます。ちえみの恋人たちは美人のエミに惹かれる中で、ちえみのありのままの姿を好きになる山根くんがいい人すぎます。文句ばかりのちえみは、山根くんのあたたかさでとても魅力的になるのを見ていると、心が豊かになるとそれが外に出るんだな、と思いました。エミに虜の男たちもちえみの魅力を認めるんですから。不満だらけの母娘3人が最後はそれぞれ幸せになるのだから、終わり良ければ全て良し！2014/02/11
ぐうぐう
8
原作・大原まり子×画・岡崎京子という組み合わせは、刊行当時を振り返れば、かなり魅力的で最強のタッグだったはずだ。ＳＦ作家・大原の、やや理詰めなストーリーは、マジック・ポイントという反理屈的設定が、ものの見事に緩和し、そこに岡崎のダイナミックで繊細なタッチが感情をもたらせている。そして何より、バブル崩壊の足音が聞こえ始めようとする、まさしく時代の気配が、今読むと漂ってくるのだ。2012/09/15
汚壌
4
マジックポイント、向上志向で生きたいですね！2018/03/18
tipsy
4
何気ない言葉が心にするりと入った。こんな展開のhappyendとは人生いかないけど、恋人、友達、家族、一緒にいたい人の隣にいる時の絶対的な安心感は心をより良いものにするのだろう。毎日太陽は沈み月は欠けるけれどこの世界からは何も失われない。自分の世界を見直すこと。裸になっても信じられる事。素直な心でいる事。主人公ちえみは（その家族も）素直だったからこそのこの結末。完璧な１日、一生は自分で用意するもの。いい種をまかないと。「ワールド・イズ・ユア・オイスター」世界はあなたの手のうちに。無限大の可能性を連れて。2016/03/04
daiyuuki
2
この物語は、「我買うゆえに我あり」の半欲求不満のループを抜け出して、ただの文句言いの主人公が公平で対等なパートナーに出会って、少しずつ世界を愛していくまでの物語。自分で自分を愛して、周りに期待し過ぎない自然体の生き方が、大事。ただ、いつもよりメッセージ性が強い内容には、ちょっと違和感がありましたが、好きな作品です。2005/10/15
