内容説明
ネット閲覧、Gmail、スマホの位置信号…国家とハイテク企業が生み出した“無差別監視システム”の脅威と現実。個人データ売買マーケットの闇を暴く。
目次
情報は盗まれている
トラッキングというビジネス
監視国家の誕生
結社の自由
何を守りたいかを見極めろ
データの場所を知る
パスワードは防御の最前線
さらばグーグル
イーダ―架空の自分
携帯電話という発信器
オプトアウト―ブローカーのデータを削除する
鏡の間
孤独な暗号
恐怖との闘い
不公平の原則
著者等紹介
アングウィン,ジュリア[アングウィン,ジュリア] [Angwin,Julia]
ジャーナリスト。2000年から2013年まで『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙に所属し、著者所属のチームは企業腐敗に関する報道で2003年度ピューリッツァー賞を受賞。2012年にはオンライン・プライバシーに関する報道で同賞の最終選考に残る。また2010年には金融・経済分野での報道を顕彰するジェラルド・ローブ賞を受賞。現在は報道サイト「ProPublica」で調査報道を専門に活躍中
三浦和子[ミウラカズコ]
翻訳家。神戸女学院大学文学部英文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こんじろん
9
アメリカの話なので日本よりかなり深刻なのだと思いますが、我が子に残したい世界像に共感した。そこそこ影響されやすい性格なので、検索エンジンをDuckDuckGoに替え、ブラウザをFirefoxにした。2018/09/22
GASHOW
4
オンラインでのプライバシーは無いに等しい。ユーザーのアクセスを分析しないサービスは存在しない。クッキーは識別子で、行動やログインも管理している。会員サービス以外は、その属性情報を把握していないだけだ。プライバシーを守りたいなら、スパイ小説の世界のような生活が必要となる。プリペイドの携帯を必要なときに購入しすぐ処分するような、お金がいくらあっても足りない。監視をされるが、オンラインを利用しない場合は監視されないので、サービスを利用しないという生き方しかないのかも。2018/03/16
sasha
3
サイトに記載されているプライバシー・ポリシーや免責事項なんて熟読したことないものな。どこかのサイトを利用する度に、利用者の個人情報が漏えいしている。では、それをいかに防御するかに挑戦したのが本書の著者。いや~、面倒臭そうだわ。って、こうやって利便性と引き換えに私たちは個人情報を犠牲にしているんだよな。本書はアメリカでの話だけど、日本でもやっぱりデータを売りに出している業者っているんだろうな。取り敢えず、通販サイトで見た商品が他サイトで表示される追跡型広告が鬱陶しんだが。2015/12/26
ひろ
1
クッキーを用いたサイト間移動の追跡が合法であるという判決が出て以降、ネット企業が際限なく集め始めた個人情報とその利用について警鐘を鳴らす本。書いてあることはマーケティングの最前線のような内容。産業革命による公害を問題視して工業化そのものを止めなかったのと同様、インターネットのもたらした便益は手放すことなく、法的に個人情報の収集を抑制する「中道」の解決策が重要だと述べる。なんか長い割にスラスラ読める、あまり考えるところや中身のない本だった。2017/07/14
pb_lack
0
インターネット上でのプライバシーは守れるか、という実験を地道に積み重ねていった結果、それなりのソフトウェアを使用することである程度は対応できるものの、利便性が落ちすぎて現実的ではない。その意味では、一番のポイントとなるのは、訴訟などでも明らかにされた「インターネット上での取得できる情報は、個人の権利を侵害する程度のものではない」という判断があること。知られていることに気づくこともないレベルの情報が知られ、それで利便性が格段に上がるのであれば、その不利益は何か?というのはバランスとしては非常に難しい。2015/08/09