内容説明
厳寒の秋田沿岸に漂着した脱北者が、SLBMを40発急造したと証言した。北朝鮮には、まともな潜水艦がない。証言は真実か、嘘か?統合情報部の玉井二等陸佐と采女三等海佐は、海中からミサイルを打ち上げる発射筒を機雷のように海流に乗せて標的地に接近させるのではと推理。やがて屋久島南方トカラ海峡を通過した北朝鮮の貨物船ワイズマイト号の喫水線変化から、何かを海中投棄したと確信。SLBMの弾頭は、核であるとも推測された。ついに、掃海部隊の機雷エキスパートである水中処分員EODの大越一等海尉、米海軍特殊部隊SEALsにならって創設された特別警備隊の三杉一等海尉らが出動、悪夢のごとき奸知から日本を守るべく、決死の攻防が始まった!
著者等紹介
数多久遠[アマタクオン]
航空自衛隊在職中から小説を書き始める。退官後、2014年、アマゾンから個人出版した電子書籍『黎明の笛』(現在は祥伝社文庫)を大幅改稿して単行本デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ren5000
30
北朝鮮が放ったミサイルを発射する機雷を阻止せよ!期待以上に面白くて前半の情報戦からの作戦実行の戦いは手に汗握って読んだ。もちろんフィクションだけどそうは思えない緊張感があり作者が元自衛官だけあって機器や作戦の描写が臨場感が素晴らしかった。映画化しても面白いかも。2021/04/08
rosetta
29
★★★★☆期待以上の面白さだった。技術者だった脱北者の男は潜水艦発射ミサイルの開発に携わっていた。しかし北朝鮮にはそのミサイルを運用できる潜水艦はないはず。自衛隊情報部が調べていくと驚くべき作戦の可能性が浮かび上がってきた。呼び出されたのは機雷等の処理をする掃海艇の水中処分員大越と、アメリカのSEALDsに相当する特別警備隊の三杉ら。情報戦のクラクラする頭脳の刺激と海上戦水中戦の血湧き肉躍る肉弾戦の興奮をどちらも楽しめる贅沢な一冊。さすが元自衛官だけあって迫真のリアリティ。ミリヲタには特にオヌヌメw2021/03/12
nari
9
怖かった〜、ドキドキした〜。 なんでも無人、リモートで行える世の中で、生身の人間ご身一つで立ち向かう状況がある事に驚きました。自衛官たちの覚悟、すごすぎる。2021/06/26
GOTI
6
☆☆☆★元幹部自衛官が描く軍事シミュレーション小説。神谷正成のごときミステリー風味ではなく、麻生幾を彷彿とさせる。日本に漂着した脱北技術者から北朝鮮がSLBMを40発作ったとの情報を得る。その真偽は?ワシントンやニューヨークを狙うには航続距離を4000㌔とするとハワイより東からの発射が必要だが、北朝鮮にそこまで潜航できる潜水艦は存在しない。統合情報部に情報分析を命じられたうち、最も現実的でない真実であった場合を想定した第三班は北朝鮮貨物船の不審な動きを見る。太平洋戦争の最中の風船爆弾! 2021/06/09
keitakenny
6
サイバーテロに対してアナログに感じるミサイル だからと言って無視できない脅威と効果がある 海のエキスパートを中心とした対処処理班の活躍 情報も少なく、猶予もない中での最前線で任務遂行する臨場感が感じられた 最初から最後まで予断を許さない緊迫感がたまらなかった サイバー、宇宙戦と新たな戦場が出てきているが、まだまだ侮れない脅威に対峙する部隊、隊員が必要であると感じると共に、日本を護り続けている自衛隊に敬意を2021/02/13