内容説明
「狡くて弱くて何が悪いの?」絶望しながら貪欲に生きる、女たちの犯罪小説誕生。
著者等紹介
南綾子[ミナミアヤコ]
1981年愛知県生まれ。2005年「夏がおわる」で第四回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そら
76
タイトルどおり、犯罪をしれっと犯す5人の女性たちの物語。どの物語にも"パリスモール"というショッピングモールが登場し、同じ地域でほんのり連結している。弱さと見せかけて狡さを持ち、頭の回線がぶっ壊れている女たち。巻き込まれ、利用されていく男たち。正義は勝つなんてことは全くなく、彼女たちは悪びれることなくとことん手を掛けていく。この世に神様なんていないと思うくらいに本当に嫌な物語たち。なのに、最後まで読んでしまう。意味なんて考えちゃいけない。読み終えて、現実に戻りなんだかほっとしてしまった。2021/10/13
ぷっくん
66
逃げる女、盗む女、殺させる女、狂った女達の犯罪短編集!なかなか面白く読めました^ ^イヤミス系ですね〜wどこかの方言が気になりましたがどれも後味が悪いです。そして、小さな街での犯罪が少しだけ繋がる部分もありました^ ^文章は読みやすく女達の黒いの部分がすごくわかりやすいので入り込めました。どの話もそれぞれ嫌〜な話ですけどタイトルにもなっとく!もう少し他の作品も読みたいなぁ(((o(*゚▽゚*)o)))2016/05/01
まる
65
どんな感想を持てば良いのか悩んでしまう作品。思ったことを正直に書けば良いのでしょうが、何と言えば良いのか…罪悪感なく罪を犯す女たちの短編集。嫌いじゃないんですが、読んで気持ちの良いものではありませんね。男も女も救われないなあ。一番印象に残ったのは表題作。最後にうわー…となりました。「オパールの涙」のラストはスッキリしました。とりあえず、男を見る目は養わないと。舞台となる場所が同じなので、この地域どんだけだよ、と思いつつ、実際そんなものなのかもしれませんね。2016/03/07
ゆみねこ
63
南さん、初読み。うーん、残念。最後まで読みましたが、後味が悪くてスッキリしません。この本の中に登場する女性たち、近くにいたら恐ろしいですね。2015/07/23
そうたそ
62
★★★★☆ 女性を主人公とする犯罪小説が五編。各話は微妙にリンクし合っている。犯罪小説といっても、女性が主人公となるだけで、随分と雰囲気が様変わりするように思える。ミステリ的な内容であるのだが、それ以上に犯罪に走る女性の執念・狂気のようなものが感じられる作品だった。どの作品も三面記事に載るようなストーリーであることが特徴だろうか。面白かったのは最初の三編。後半二編ではやや飽きを感じた。印象的だったのは表題作。終始救いようのない感じと、更に言い様のない読後感の悪さ。怖いを通り越して滑稽ですらあるかも。2014/08/18