おれは清麿

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 337p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784396633813
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

利休、虎徹、そして…新たな“鬼”
幕末の名工を直木賞作家が描く!
刀、女、酒。
天才鍛冶の熱くたぎった波乱の日々!

「この刀はおれです。おれのこころです。折れず、撓まず、どこまでも斬れる。そうありたいと願って鍛えたんだ」

 信州小諸藩赤岩村に生まれた山浦正行、のちの源清麿は、大石村の名主長岡家に十七歳で婿に入る。だが、武道と武具を究めようとする九つ上の兄真雄の影響で、鍛刀に興味を持ち、やがて、その熱情は妻子をおろそかにさせるほど高まろうとしていた……。
 藩お抱え刀工推挙の話が頓挫した正行は、鍛えた刀を背に松代に向かうことにした。――よい刀とはなにか。道々考え続ける正行に、江戸で刀剣を学ぶ道が与えられた。紹介された窪田清音を番町に訪ねて、試斬で鍛刀の奥深さに触れた正行は、名刀への思いを強くする。そこに真田藩武具奉行の高野から声がかかり、松代の鍛冶場に入る。理想の鍛冶場を求めるうち、佐久間国忠(のちの象山)という男に出会うが……。
 のちに萩藩にも迎えられ、幕末の名刀工の一人と称せられた清麿の清冽な生涯!

【著者紹介】
1999年、小社『小説NON』誌の創刊150号記念短編時代小説賞を「弾正の鷹」(同題の短編集に収録・祥伝社文庫)で受賞。選者の笹沢左保氏から、高い評価を受ける。2002年、『戦国秘録 白鷹伝』(祥伝社文庫)で長編デビュー後、04年に『火天の城』で第11回松本清張賞、09年『利休にたずねよ』で第140回直木三十五賞を受賞した。1956年、京都市生まれ。同志社大学文学部美学及び芸術学専攻卒業。

内容説明

信州小諸藩赤岩村に生まれた山浦正行、のちの源清麿は、九つ上の兄真雄の影響で作刀の道にのめりこむ。大石村の村役人長岡家に十七歳で婿に入るが、その熱情は妻子をおろそかにさせるほどたぎるのだった…。

著者等紹介

山本兼一[ヤマモトケンイチ]
1999年、『小説NON』誌の創刊150号記念短編時代小説賞を「弾正の鷹」(同題の短編集に収録・祥伝社文庫)で受賞。選者の笹沢左保氏から、高い評価を受ける。2002年、『戦国秘録 白鷹伝』(祥伝社文庫)で長編デビュー後、04年に『火天の城』で第11回松本清張賞、09年『利休にたずねよ』で第140回直木三十五賞を受賞した。1956年、京都市生まれ。同志社大学文学部美学及び芸術学専攻卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥

98
幕末に実在した名刀鍛冶、源清麿(山浦正行)の人生を描いた作品。名刀の中にはそれを持つ人の心を狂わせる物があるというが、刀を鍛える事に心を奪われた正行。小諸の田舎で女房子供と平穏に過ごす人生を棄て、ひたすら刀と向き合う人生を選んだ末に得たものは何であったのだろうか?★★★★2014/06/16

文庫フリーク@灯れ松明の火

67
のちに四谷正宗と称された刀工・山浦清麿の生涯。23歳の正行(清麿)の作刀した脇差の仕上がりを、正行自身に例え「素直過ぎて、強すぎる。女がいれば女に夢中になる。酒が有れば酒、剣術を教えれば剣術に夢中だ。子供めいた所がある。やっと鍛冶仕事に夢中になったようだな」と後援者の窪田清音が評する。婿に入った家の妻と子は最後まで省みず、模索する自らの刀のイメージを与えてくれた松代のきぬも捨て、正式な離縁もしないまま、とくと暮らす江戸。天才ゆえの?若さゆえの?一途と言うには酷いわがまま。→続く2012/07/10

キムチ

37
江戸末期に実在した刀鍛冶の一代記。読み友のおすすめで手に取る。主人公清麿は長岡に生まれ、本名山浦正行。天才肌ではないが日常生活を送ることができない類の職人肌であったようだ。虎徹は一人の女を深く愛し・・だったが こちらは主なだけでも3人の女性に身を任せ、自らを燃え立たせて芸に没頭していく。晩年は捨てた妻女と再会した後、歴史が荒れ狂う幕末、波乗りでもするようにふわっと生きた。が、梅毒に苦しみ、自殺42歳。山本氏の作品は淡々と描き、修羅の場面ですら難なく乗り切ったように描いてある。根っこは惨状だったろうと思うが2014/05/26

藤枝梅安

32
この作家が「狂い咲き正宗」で登場させた江戸末期の刀鍛冶・源清麿の破天荒で愚直な生涯。この主人公をどこまでも直情径行で自己中心的人物として描き、刀の持つ魔力とそれに翻弄される人々を表現している。体格と容姿に恵まれた若者は酒癖も女癖も良くないが、刀に対する思い入れは誰にも負けない。「刀のためなら女房も捨てる、それがどうした文句があるか。」と言ったかどうかは知らないが、最高の刀を鍛えるためには何でもする清麿は刀の神に魂を売った男だったのだろう。最後まで刀に命をかけ前のめりで倒れていった姿が印象的である。2012/05/24

なつきネコ

26
 小説資料として再読。かりてから一気読み。なんどよんでいるのか。刀鍛冶・源清麿。刀作りの資料や、こだわりポイントを勉強にはなるな。しかし、 完璧な刀への執念は恐ろしい。平穏に怯え、最高の刀をつくろうとする意地は尊敬をとおり越してふるえる。このあたりはモノ作り、刀が好きな私からしたら尊敬する。けど人間関係にしてはクズ。故郷にのこしたツルは可哀想。この旦那はヒドすぎる。窪田清音のような恩人にあまえ、金を出させ刀で恩返しはわかるけど、サッパリしない。人間としてはクズだけど、作り上げた刀は最高なものだったりする2023/09/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/4691893
  • ご注意事項

最近チェックした商品