内容説明
六世紀初頭、南北朝時代の中国。北朝・魏は、建国して間もない南朝・梁への侵攻の機会を窺っていた。梁側では、その軍事的天才により王の信頼篤い弱冠二十三歳の将軍、陳慶之が魏の来攻に対する備えを固める。ついに、国境を流れる淮河の畔、鐘離の地に中山王・元英率いる魏軍八十万が押し寄せてきた。対する梁軍は三十万。果たして陳慶之と梁軍は、圧倒的な大軍を撃退できるのか?騎兵と水軍を駆使した雄大なスケールの戦闘、両軍の智将・猛将の超人的な活躍に、戦の陰に散った男装の麗人の悲恋をからめて、中国史上屈指の大戦“鐘離の戦い”を描き切った、著者会心の傑作歴史小説―ノン・ノベル創刊25周年記念特別書下ろし。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本木英朗
17
日本の歴史小説家のひとりである、田中芳樹の、中国歴史小説のひとつである。6世紀初頭、南北朝時代の中国。北朝・魏は、建国して間もない南朝・梁への侵攻の機会を伺っていた。梁側では、その軍事的天才により王への信頼篤い弱冠23歳の将軍・陳慶之が魏の来航に対する来攻に備えを固める。ついに、国境を流れる淮河の畔、鍾離の地に中山王・元英率いる魏軍80万が押し寄せてきた。対する梁軍は30万。はたして陳慶之と梁軍は、圧倒的な大軍を撃退できるのか?という話である。これは5回目くらいだったろうか?(→)2023/04/10
魯波
4
銀英伝ファンが、読んだらまず間違いなく陳慶之に銀英伝のヤンの姿をダブらせてしまいそう。でもそんな所がまたたまらない、歴史物は疎い方ですが 読み始めると、グイグイ物語に引き込まれてしまう。 田中さんって凄いなぁ・・・2013/06/12
更新停止しました。ありがとうございました。
4
後付でヤン・ウェンリー氏のモデルとされているのも納得。ついでにビュコック提督もいらっしゃいました。2010/07/02
ふみ
3
本書の時代設定である中国南北朝はおろか、三国志さえよく知らない状態で手を出してしまいました。はじめは出てくる人の名前がなかなか覚えられず、自分のメモリのなさを嘆きつつ読み進めていましたが、おおかたの主要人物が出そろったときにはすっかり物語の虜に。2つの国が戦っているのだけど、どちらも魅力的な人物ばかりで、一方的な視点にならないのが、面白さの秘訣なのかな。2025/02/08
ironimory
3
おもしろかった〜!確かに陳慶之はヤンだし、曹景宗の女性に対するものはポプランやギーヴを思わせた。でも何よりもお話が面白かった。あっという間に読んでしまった。 三国志は好きな一方でその地続きとなるこの時代のことは興味がありつつよくわからずにいたのだが、ひとつのとっかかりとしてとても楽しく読めた。 銀英伝やアル戦もそうだが、時代がその人物に与えた役割という観点から魅力的に描いているのはさすがだなあ。2021/02/20
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