内容説明
東京新宿の高層ビル内のある企業美術館は、毎週休館日(月曜)が賑わう。区内の小中学生が、図工・美術の授業で訪れるからだ。彼らを誘導・指導するのは、美術館員ではなく市民ボランティア。子どもたちは本物の作品に目を輝かせ、その感想を皆と語り合う。これが教育現場で大評判の「対話による美術鑑賞」だ。全国の美術館や博物館が不況下で次々と閉鎖されるなか、CRS(企業の社会的責任)の一環として始められたこの試みは、地道な努力が周辺地域の共鳴を得、今想像を超えた発展を見せている。ここに、国や自治体が学ぶべき文化芸術行政のヒントがあるのではないか…。本書は、四年前まで損保業務に従事していた全くの素人館長が挑んだ、画期的「美術館改革」の記録である。
目次
序章 新しい活動の成果―確かな反響
第1章 素人館長の志
第2章 美術鑑賞者の長期的減少と「鑑賞教育」
第3章 美術館長に就任し、新事業の準備に―多様な人々との連携を模索
第4章 小中学生の美術鑑賞教育の試行実施―授業風景と参加者の声
第5章 新宿区立小中学校全校実施へ
第6章 大人向けの新しい鑑賞会
第7章 対話型鑑賞法―意義と可能性
最終章 夢を語る
著者等紹介
小口弘史[オグチヒロシ]
1949年、福島県南会津郡生まれ。宮城県立仙台一高を経て東北大学経済学部を卒業し、73年に安田火災海上保険(現在の損保ジャパン)に入社。山梨支店長、人事部長、常務執行役員などを歴任。2007年より損保ジャパン美術財団常務理事に転籍し損保ジャパン東郷青児美術館館長に就任。他に千葉興業銀行監査役等も兼任。民間企業経験を活かして、多様な組織や人々との連携で、美術鑑賞の教育と普及に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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