月曜美術館―休館日に、そこで何が起こっているのか

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  • サイズ B6判/ページ数 214p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784396620745
  • NDC分類 707.9
  • Cコード C0071

内容説明

東京新宿の高層ビル内のある企業美術館は、毎週休館日(月曜)が賑わう。区内の小中学生が、図工・美術の授業で訪れるからだ。彼らを誘導・指導するのは、美術館員ではなく市民ボランティア。子どもたちは本物の作品に目を輝かせ、その感想を皆と語り合う。これが教育現場で大評判の「対話による美術鑑賞」だ。全国の美術館や博物館が不況下で次々と閉鎖されるなか、CRS(企業の社会的責任)の一環として始められたこの試みは、地道な努力が周辺地域の共鳴を得、今想像を超えた発展を見せている。ここに、国や自治体が学ぶべき文化芸術行政のヒントがあるのではないか…。本書は、四年前まで損保業務に従事していた全くの素人館長が挑んだ、画期的「美術館改革」の記録である。

目次

序章 新しい活動の成果―確かな反響
第1章 素人館長の志
第2章 美術鑑賞者の長期的減少と「鑑賞教育」
第3章 美術館長に就任し、新事業の準備に―多様な人々との連携を模索
第4章 小中学生の美術鑑賞教育の試行実施―授業風景と参加者の声
第5章 新宿区立小中学校全校実施へ
第6章 大人向けの新しい鑑賞会
第7章 対話型鑑賞法―意義と可能性
最終章 夢を語る

著者等紹介

小口弘史[オグチヒロシ]
1949年、福島県南会津郡生まれ。宮城県立仙台一高を経て東北大学経済学部を卒業し、73年に安田火災海上保険(現在の損保ジャパン)に入社。山梨支店長、人事部長、常務執行役員などを歴任。2007年より損保ジャパン美術財団常務理事に転籍し損保ジャパン東郷青児美術館館長に就任。他に千葉興業銀行監査役等も兼任。民間企業経験を活かして、多様な組織や人々との連携で、美術鑑賞の教育と普及に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みのにゃー

4
固い本です。美術館関係者は読むべき本。公立の美術館、赤字が常態化していても危機感が少ないように思う。これは先行投資だと思う。もっと力を入れて真剣に取り組んでほしい。学校の美術、欧米では作品を作るより鑑賞重視だとか。目からウロコ。2015/05/07

ヒロセ

3
ゴッホの《ひまわり》をもっている事で有名な「損保ジャパン東郷青児美術館」館長の著作。内容としては、どうしても「見るだけ」という受身になりがちな美術鑑賞を『対話型鑑賞法』という、より人とのコミュニケーションを重視する鑑賞法を取り入れることによって、従来とは異なるより深い作品理解や教育の一貫として提供しようと、小口さんが尽力した様々な取り組みについて述べてあります。この一冊を読むことによって、新しい美術館の働きであったり楽しみ方がもっと色んな美術館をはじめ、世間一般の人々にも広がれば素晴らしいと思います。2012/06/23

ゆうゆう

1
休館日にしか出来ない活動がある。美術教育の垣根なんかなしに、作品と対話する、自由な発想を阻害しない、答えが用意されていない生きた教育がある。小学生のうちに体験できるのはなんて素晴らしいだろう!企業と地域と一体の活動!素晴らしい!コナンもやる事だし、一度はひまわりを見たい!2015/04/04

あほひ

1
(企業)美術館における対話型鑑賞法を取り入れるまでを説明した本。実際やってみないとわからない対話型鑑賞を取り入れる迄の苦労、そして喜びがかかれていました。実際、静かに鑑賞したい人と、対話型鑑賞を取り入れたい人のバランスや折り合いをどうつけるか、というのが後半にあったがそこが問題だと思う。どんな制度を作ったにしろ、それを周知させること、また広める事が重要であり、来館者がガッカリしない方法を模索すべきと感じた。筆者の小口さんの話を読んでいると、コミュニケーション力が重要だとわかる。2012/06/16

kambashig

0
美術館の仕事の舞台裏を書いた本かと思ったら、新任館長が「冬の時代」の美術館で、新たな可能性を「対話型鑑賞」に見出し、いかに実現したかという本だった。美術に全く関わりのなかった著者が、美術館業界について調べ、行政や学校との連携、ボランティア育成などを一から構築していく過程は、図書館の参考にもなりそう。「館長の仕事は、次の30年のあり方を考えること」という心構えが素晴らしい。2013/08/31

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