出版社内容情報
遺伝子で決まるとされた脳は、可塑性(変化すること)が最新の知見で得られた。脳トレーニング・老化や神経の病も絡めて紹介する。
内容説明
脳は柔軟である!英語のことわざ「老犬に新たな技を教えることはできない」は、最新の脳の研究によって覆された。ニューロプラスティシティ(=神経可塑性)によって、脳の変化は一生続くことがわかる!
目次
第1章 はじめに
第2章 感覚代行
第3章 発達時の可塑性
第4章 シナプス可塑性
第5章 成体のニューロン形成
第6章 脳力トレーニング
第7章 神経損傷と脳傷害
第8章 常習性と痛み
第9章 一生続く脳の変化
第10章 まとめ
著者等紹介
コスタンディ,モーヘブ[コスタンディ,モーヘブ] [Costandi,Moheb]
発生神経生物学者、神経科学を専門とするサイエンスライター。ニュー・サイエンティスト誌やサイエンティフィック・アメリカン誌に記事を寄稿
水谷淳[ミズタニジュン]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Isamash
18
サイエンスライターのモーヘブ・コスタンディ氏による2016年著作訳本。シナプス可塑性は知っていたが、ヒトにおける神経幹細胞の存在や海馬における長期的な神経細胞の生成(Cell 2013)は初耳。線状体でも同様らしい。ただその機能的意義に関しては論争があるとのこと。ロンドンタクシー運転手の話は有名だが、バイオリニストの脳も構造的な変化が起こっているらしい。第二言語や楽器演奏の習得が認知症予防に役立つかもしれないとの報告もされてるそう。従来の脳への固定観念が破壊され、まるで筋肉様な存在と理解されてきてる印象。2022/05/19
\しおり/
3
脳を「配線しなおす」ことが可能だということ。ニューロンは必要以上のシナプス結合を作り、その後で冗長な結合を切り外すという事実が衝撃的だった。ミクログリアというやつが不要な部分を食べるらしい。だから脳は完成体で存在するのではなく可塑性を持つ。2018/07/18
てぬてぬ
2
可塑性について。かなり新しい研究内容も反映されている。2018/03/14
どんぶらこ
1
身体は成長期を過ぎてしまえば老いていく一方なのに対して、脳は死ぬまで環境に適応していく仕組みを持っていたのは驚いた。魔法みたいなものではないけれど、天性のものを持っていないからといって人生を諦めるにはあまりにもったいないし、それこそ脳の可塑性という天性のものをドブに捨てていることになってしまう。なんかやってみようかな?2021/01/11
takuya-ki
1
これから求められるのは革新的な脳内部の計測技術。ミクロな分析による脳機能の解明が進めば,ロボット分野を含め,様々な領域の発展に貢献できると感じた。2018/05/03