内容説明
それは1950年6月25日に始まった。戦争特需の裏側で、密かに進行していたこととは?元外務省国際情報局長が膨大な資料から読み解く歴史の真相!
目次
序章 忘れ去られた戦争
第1章 朝鮮戦争はなぜ起こったか―米国・北朝鮮・ソ連・韓国・中国の犯した誤り
第2章 朝鮮半島を分断せよ
第3章 朝鮮戦争の開始
第4章 日本の関与と、警察予備隊形成過程での日本の民主主義崩壊
第5章 冷戦後の国際政治と朝鮮半島問題
著者等紹介
孫崎享[マゴサキウケル]
1943年生まれ。1966年、東京大学法学部を中退し、外務省に入省。英国、ソ連、米国、イラク、カナダ駐在を経て、情報調査局分析課長、駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、駐イラン大使を歴任。2002年から2009年まで防衛大学校教授。ツイッターのフォロワーは約14万人。さらに、ニコニコ動画を発信するなどソーシャル・メディアに注力。『日米外交 現場からの証言』(中公新書)で山本七平賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
60
朝鮮戦争に対するこれまでの理解を根底から覆される衝撃的な一冊だった。そもそも私は1945年9月に「朝鮮人民共和国」という統一国家の樹立が宣言された事実さえ知らなかった。それを無視して米ソの軍政が国土を分断し、両国の傀儡(李承晩と金日成)が覇権争いをした内戦が朝鮮戦争だと言う。戦争は、巷間伝えられるソ連や中国が背後で操ったのでもなく、米国も介入に消極的だったと著者は力説する。しかし結果的に、この戦いが冷戦構造を定着させ、米国の軍産複合体による世界秩序を招いたのだから、世界史的な意義は甚大だったと改めて思う。2020/08/18
sansirou
7
なぜ朝鮮戦争が起こったのか、その影響はどの国にどんな形で現れたのか、1つの見方を示している。読み応えありますね。2021/02/01
Yoshiteru Hayashi
3
日本の敗戦により解放された朝鮮半島が独立を巡って激烈な南北戦争に発展し、米軍や中国軍も参戦して休戦になるまでの激動のドキュメント。読み応えあり、考えさせられます。2021/02/02
鯉二郎
3
いつも見ているネットメディアIWJに孫崎氏が出演し、本書の紹介をしていたので購入し読んでみた。不勉強な私は第2次大戦後の歴史を日本を中心にとらえる癖から抜けられず、隣国で起きた朝鮮戦争について知らないことが多すぎた。38度線、朝鮮特需、警察予備隊創設など断片的な言葉を知るのみで、それらの経緯や背景などは本書を読んでようやく理解できた。 2020/08/15