明治のサーカス芸人はなぜロシアに消えたのか

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  • サイズ B6判/ページ数 252p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784396614638
  • NDC分類 779.5
  • Cコード C0021

出版社内容情報

謎の「ヤマダ曲馬団」を追え!
幕末の開港とともに、いち早く海外に出た日本人サーカス芸人たちは、世界各国で活躍した。
とくに1910(明治43)年、ロシアに渡ったヤマダサーカス一座が、ショッキングな「ハラキリ」芸を披露して、ロシアのみならずヨーロッパ中の観客を魅了していた。
ヤマダサーカスには「イシヤマ」、「タカシマ」、「シマダ」という名の芸人たちが参加し、日本古来の伝統芸を披露して大人気を博した。
しかし、そんな彼らの前にはロシア革命という20世紀最大の事変が待ち受けていたのだ――。
本書は、歴史に翻弄された3人の足跡をたどりながら、当時海外で最も有名だった日本人一座「ヤマダサーカス」の全貌に迫る、歴史探究ドキュメンタリーである。

【著者紹介】
大島幹雄(おおしま・みきお)1953年宮城県生まれ。早稲田大学第一文学部露文科卒業。サーカス・プロモーター。アフタークラウディカンパニー(ACC)勤務。海外からサーカスや道化師を招聘し、日本でプロデュースしている。石巻若宮丸漂流民の会事務局長、早稲田大学非常勤講師。著書に『サーカスは私の<大学>だった』(こぶし書房)『満洲浪漫―長谷川濬が見た夢』(藤原書店)など多数。

内容説明

幕末の開港とともにいち早く海外に出た日本人サーカス芸人たちは、世界各国で活躍した。とくに1910(明治43)年、ロシアに渡ったヤマダサーカス一座が、ショッキングな「ハラキリ」芸を披露して、ロシアのみならずヨーロッパ中の観客を魅了していた。ヤマダサーカスには「イシヤマ」、「タカシマ」、「シマダ」という名の芸人たちが参加し、日本古来の伝統芸を披露して大人気を博した。しかし、そんな彼らの前にはロシア革命という20世紀最大の事変が待ち受けていた―。歴史に翻弄された3人の足跡をたどりながら、当時海外で最も有名だった日本人一座「ヤマダサーカス」の全貌に迫る。

目次

第1章 日露戦争前のロシアに渡ったサーカス芸人(なぜ彼らは海を渡ったのか;ロシアで好評を博した日本人たち)
第2章 追跡、謎のヤマダサーカス(戦慄のハラキリショー;山根ハルコのロシア放浪記;極東サーカス―サーカスがつないだ日本とロシア;帰ってきたイシヤマ;ジャグラー、タカシマ伝説;戦争とサーカス)
第3章 サーカスと革命(山根ハルコの悲劇;アヴァンギャルドとタカシマ;イルクーツクのドクター・シマダ)
第4章 粛清されたサーカス芸人(ヤマサキキヨシの運命;ナロフォミンスクからの手紙;パントシ・シマダの秘密;究極のバランス芸)

著者等紹介

大島幹雄[オオシマミキオ]
1953年宮城県生まれ。早稲田大学第一文学部露文科卒業。サーカス・プロモーター。アフタークラウディカンパニー(ACC)勤務。海外からサーカスや道化師を招聘し、日本でプロデュースしている。石巻若宮丸漂流民の会事務局長、早稲田大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふじ

13
明治時代にロシアで活躍した日本人らの足跡を追ったノンフィクション。芸ひとつで世界を渡り歩く、そのカッコよさ!衝撃のハラキリショーから、時代に翻弄された運命まで、そのたくましさと孤独に思いを馳せた。YouTubeで観たシマダの芸は本当に素晴らしく、ただただ圧倒された。2016/10/24

辺野錠

3
明治時代海外に渡ったサーカス芸人と言うピンポイントな題材が面白いと思った。調べるのが物凄く大変そう。ハラキリショーなんて日本らしいネタやってたのね。そしてロシアで起こった革命の後体制側と一緒になるがやがて粛清の波に巻き込まれて消えていくのがダイナミック。ラストで語られるシベリア抑留という過酷な状況の中でも自由で飄然としたサーカス芸人の逸話も印象的。2019/04/20

sasha

2
ソ連邦崩壊直前に3枚の写真に出会ったことから著者の20年以上に渡る調査が始まる。ロシア革命前にロシア各地で公演を行い、革命後もそのままロシアに残った3人の日本人サーカス芸人の足跡を追った本書は、著者の情熱と執念の結晶だろう。日本人の曲芸師たちがこれほど海外で喝采を浴びたとは思わなかった。作品全体としては少々尻切れトンボだが、調査の限界なのかもしれない。ただ、歴史に埋もれていた人々に焦点を当て、掘り起した本書は力作ではあるのだろう。2015/05/14

Arte

1
サーカス研究をしているサーカスプロモーターの著者が、ロシアの研究者から見せられた写真を頼りに、写っていた日本人らしき人々の消息を探してまとめたもの。話があっちこっちに飛ぶので追い辛いのが最大の難点だが、そこそこ面白かった。少し驚いたのが、サーカスの芸人が孤児のような子を幼いうちに引き取って、養女養子にして育てることが本当に多かったことと、とんでもなく難易度の高そうな芸をしていたこと。あと、ロシアで「ハラキリショー」という子供を切り刻むようにみせるスプラッタな出しものが大人気だった、というのが凄かった。2016/02/10

Naranja

1
タイトルに興味をもって何気なく借りたが、予想以上に楽しく読めた。 ロシア中の話題をさらった「ハラキリショー」、山根ハルコの放浪記、最後のラーゲリからサーカス団にスカウトされたエピソード。幕末~明治の日本にこうした曲芸師たちがいたことが驚き、どちらかというと中国雑技団を想い起こした。有名なイタリア人ジャグラーが日本人を見て技を磨いたというのにも驚いた。それにしても、ハラキリショーの度に少年を呼び寄せては斬っていると信じてしまった少年はさぞ肝を冷やしただろうな。2015/10/06

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