出版社内容情報
織田だけが強くなる
「時代を変えるにふさわしき秘史!」
城郭考古学者千田嘉博氏
信長を天下人たらしめた鉄砲伝来と、
日本の大転換期を描く傑作歴史小説
天文十二年、種子島に伝来した二挺の鉄砲が、戦国乱世を震撼させた。西洋の新技術を知り、国産化に踏み切った日本で、新兵器に魅せられた織田信長は、紀州根来寺に鉄砲の製造を、堺の商人に火薬の調達を要求。新たな戦法で天下取りを確信した信長は、天主となるべく築城の方法までをも変えていった。日本と西洋文明との対峙を壮大なスケールで描く傑作歴史小説。
内容説明
天文十二年、種子島に伝来した二挺の鉄砲が、戦国乱世を震撼させた。種子島時堯は銃の国産化に踏み切り、日本は西洋技術を知る。新兵器に魅せられた織田信長は、紀州根来寺に鉄砲の製造を、堺の商人に火薬の調達を要求。新たな戦法で天下取りを確信し、天主となるべく築城の方法までをも変えていった。日本と西洋文明との対峙を壮大なスケールで描く傑作歴史小説。
著者等紹介
門井慶喜[カドイヨシノブ]
1971年、群馬県生まれ。同志社大学卒業。2003年、「キッドナッパーズ」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。16年『マジカル・ヒストリー・ツアー』で日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、同年咲くやこの花賞、18年『銀河鉄道の父』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みこ
24
タイトルにある通り主人公は信長、ではなくて鉄砲。今まで最新兵器を手にした種子島時堯が勢力を拡大できなかったことに疑問を感じたことはなかったが、彼は手に入れて本土に売り渡したまでは良かったが、これを武器として運用することに失敗していたところを突いたのは面白い。また、足軽の立場、ひいては庶民の立場や価値観を揺さぶったという考察に基づいたストーリーは上手いものがあると感じた。2025/03/29
ayafuya-papa
11
「家康、江戸を建てる」に続く、信長と鉄砲という、三大英傑とモノの話です。次は秀吉と??になるのか勝手に楽しみにしています。鉄砲による戦術が変わっていくのは万人が知るところですが、鉄砲を操る人達の立場や安土城の普請にまで展開するのは面白いですね。流石の門井作品です。2025/05/18
coldsurgeon
10
種子島時尭の日本史に残る不急の業績は、日本で最初に鉄砲に出会い、二挺も大枚を出して購入したことだという。鉄砲伝来により、織田信長が天下人となり、また日本の政治経済の大展開期をもたらした物語が記されている。戦いは個から集団戦となり、民衆の力が目覚めるはじめとなった。鉄砲そのものは国産化しても、弾の原料である鉛やっ火薬の調合に必要な硝石は、輸入せざるをえなかった。それは、商人たちの海外貿易への進出を促した。歴史を鉄砲という武器の面から切り取った興味深い物語だった。2025/03/21
まつけん
9
タイトル通り鉄砲の日本伝来から、その影響を織田信長中心に描いた戦国モノ。興味深く、面白く読了。「櫓(一本のりっぱな心柱でもって全体を統べるという思想のあらわれ)というのは武士の砦、天主(圧倒的多数で地を埋め、ぶあつく外壁をこしらえて、そのことで互いに力づける構造)というのは庶民の家なのである。」「鉄砲撃ちには武士のような個人の面目はなく〜どこまでも卑賤俗骨のわざであるにもかかわらず武士よりもはるかに戦果をあげた。〜この世はもはや個人よりも集団によって成り立っている〜民衆の世が来ることへの恐怖」2025/09/07
今日は決算前
5
△ 1543年種子島での鉄砲伝来の様を描く所から、信長と鉄砲の出会い、長篠の戦い、堺と鉄砲と信長、安土城築城、本能寺の変迄がオムニバス形式につづられる。鉄砲伝来時の種子島の様子や鉄砲生産を進める根来寺、鉄砲を巡る堺商人達等興味深い。また、信長も得体の知れない強烈さは無く、人間っぽい描かれ方で好感が持てる。しかし、オムニバス形式で鉄砲周辺の物語が描かれるが、それらの話間の繋がりが弱く、物語がぶつ切りに感じられたことが残念であった。【図書館本】2025/07/11
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