出版社内容情報
ようこそ、偽りの楽園へ。
理想郷を求めて無人島に入植した9人の男女の行く末は――。
人間の本質を浮き彫りにする、ディストピア小説!
独自の自然主義に染まった医師・土岐周一郎と不倫相手の北郷咲良は、家族も仕事も捨てて、沖縄の遥か南にある無人島へと入植した。彼らの移住を機に、他にも入植者たちが現れる。しかし、島には先住者が潜んでいた――その正体は逃亡中の殺人犯、苅部公則。人々の理想の楽園だったはずの島は、やがて人間のエゴと憎しみがぶつかり合う「愚か者の島」へと化していき……。
内容説明
独自の自然主義に染まった医師・土岐周一郎と不倫相手の北郷咲良は、家族も仕事も捨てて、沖縄の遙か南にある無人島へと入植した。彼らの移住を機に、他にも入植者たちが現れる。しかし、島には先住者が潜んでいた―その正体は逃亡中の殺人犯、苅部公則。人々の理想の楽園だったはずの島は、やがて人間のエゴと憎しみがぶつかり合う「愚か者の島」へと化していき…。
著者等紹介
乾緑郎[イヌイロクロウ]
1971年、東京生まれ。鍼灸師の傍ら、小劇場を中心に舞台俳優、演出家、劇作家として活動。2010年、『忍び外伝』で第二回朝日時代小説大賞を受賞、同年10月、『完全なる首長竜の日』で第九回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しい太
4
逃亡中の殺人犯、地上の楽園を夢見るカップル、ふわっとした理想を掲げる一家、リゾート開発をしたいヤク中等々、しょうもない人たちが小さな離島にどんどん集合してきてしょうもない揉め事の果てに殺し合う、予定調和みたいな序破急。相変わらず語り口は巧いんだけどなんでこんな(得るものもなんもない)話を?と思ったらこれは実話ベースの奇譚だというから驚いた。唯一オリジナルの存在である殺人犯が断トツで常識と良識を持っているし、言動の一々が読み手として貴重な共感対象なのはちょっと可笑しかった。2025/06/27
ドットジェピー
3
面白かったです2024/08/31