出版社内容情報
「あと一度という気持ちが命取りになりましょう」
剣一郎を嘲笑うかのように押込み強盗の一味と思しき男が殺される。
裏切りか、それとも――
盗賊の末路は!?
火付盗賊改を翻弄するかのような押込みがこの二年間、続いていた。決して人は殺めず、狐の神楽面をかぶっているという。盗んだ金はしめて七千両余。業を煮やした老中が、青柳剣一郎に密かに探索を命じる。すると剣一郎は火盗改の動きに不審を抱く。盗賊に手の内が洩れているのでは?やがて一味とおぼしき男に目を付けた矢先、刺殺体となって川に浮かんだ!
内容説明
火付盗賊改を翻弄するかのような押込みがこの二年間、続いていた。決して人は殺めず、狐の神楽面をかぶっているという。盗んだ金はしめて七千両余。業を煮やした老中が、青柳剣一郎に密かに探索を命じる。すると剣一郎は火盗改の動きに不審を抱く。盗賊に手の内が洩れているのでは?やがて一味とおぼしき男に目を付けた矢先、刺殺体となって川に浮かんだ!
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京生まれ。83年「原島弁護士の処置」で、オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。87年『絆』で日本推理作家協会賞を、90年『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
119
第63弾!今回も長谷川様が登場するのだがいつもよりずっと良い(笑)そして、今回は火盗改の自浄作用を担うことにもなるのだが、悔しいかな剣一郎の思いは届かない。保身の前には響かないのだ。今回は好みの話の最新作だった。2023/08/03
やま
51
青痣与力が、闇を裁く。青柳剣一郎は、南町奉行所の風烈廻り与力であるが、難事件には特命を受けて探索に乗り出す。剣一郎は、過去の事件で顔に怪我を負い青痣ができる。それを見た者たちから青痣与力と呼ばれる。此度、剣一郎は、狐の神楽面をつけた盗賊の探索を御奉行の内与力・長谷川四郎兵衛から命じられる。盗賊の頭として筆墨屋「一筆屋」主人である矢五郎に目星をつけた。そのことを知った矢五郎は、火盗改の長官である天野剛之進配下の与力佐久間秀作にもう盗みは止めると言うと、佐久間の配下に殺さる。なぜ矢五郎は、殺されたのか……。2024/08/03
真理そら
51
今回の長谷川様は当初の目論見とは違う結果になったのに喜んでいる、珍しい…でも、青柳与力を当て馬に使おうだなんて100年早いんですよ。2023/10/06
Abercrombie
3
自宅ならともかく、料理屋で刺殺しておいて、何の痕跡も残らないかねえ。老中より下された、火盗改が2年間も捕らえられないでいる盗賊団の、訳ありな探索。地道な捜査と大胆な推理と主人公の人柄により導き出される結末は痛快ではあるが。2023/08/17
犀門
2
No.019★★★★☆おもしろさ故に短時間で読了。やはり青痣与力はやめられない!。2024/06/01