出版社内容情報
「これから一人だけ殺す。自然死にしか見えないかたちで」
解剖されない9割の遺体に、隠れた犯罪が潜む!?
真相とともに浮かび上がる、光崎教授の〝悔恨〟とは?
死体は雄弁に語る――法医学ミステリー第4弾
「一人だけ殺す。絶対に自然死にしか見えないかたちで」浦和医大法医学教室の光崎藤次郎教授への脅迫文がネットに書き込まれた。日本の解剖率の低さを訴えるテレビ番組での、問題の九割はカネで解決できるという彼の発言が発端だった。 挑発などなかったかのように、いつもの冷静さで解剖する光崎。一方、助教の真琴は光崎の過去に手がかりを求めると、ある因縁が浮上し……。
内容説明
「一人だけ殺す。絶対に自然死にしか見えないかたちで」浦和医大法医学教室の光崎藤次郎教授への脅迫文がネットに書き込まれた。日本の解剖率の低さを訴えるテレビ番組での、問題の九割はカネで解決できるという彼の発言が発端だった。挑発などなかったかのように、いつもの冷静さで解剖する光崎。一方、助教の真琴は光崎の過去に手がかりを求めると、ある因縁が浮上し…。
著者等紹介
中山七里[ナカヤマシチリ]
1961年岐阜県生まれ。2009年『さよならドビュッシー』で第八回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イアン
168
★★★★★★★☆☆☆声なき死者の声を聴くヒポクラテスシリーズ第4弾。テレビ局HPに書き込まれた「自然死にしか見えないかたちで1人だけ殺す」という犯行予告。それは斯界の権威・光崎に向けられた犯人からの挑戦状だった…。浦和医大助教・真琴や埼玉県警・古手川らお馴染みのメンバーが、老衰、肝臓がん、バイク事故などの裏にある意外な事実を暴いていく。前作ではキャシーの出自が掘り下げられていたが、今作では犯行声明という性質上、古手川の活躍が光っていた。しかしその活躍を嘲笑うかのように眺める男の存在を、彼はまだ知らない…。2024/03/09
のり
118
浦和医大法医学教授の「光崎」が出演したTV番組で解剖率の低さを、歯に衣を着せぬ発言で注目を集める事態に…そんな中、光崎と埼玉県警に対しての挑戦的な記事がネットに書き込まれる。殺人の予告によって県内の変死を解剖に回さなければならない非常事態に…助教の「栂野真琴」と県警の「古手川」はフル回転で事にあたる。成長著しい二人だが、互いのボスにはまだまだ程遠いが、人柄は勝っているよ。頑張れ〜、若き二人。2023/11/13
ほんた
89
法医学者の光崎の過去を知ることができる作品。5つの事件のどの事件が光崎に関係するものなのかを想像しながら読む面白さがありました。 https://hontablog.com/ヒポクラテスの悔恨2024/02/21
ま~くん
86
お馴染み真琴先生と古手川刑事のコンビが真相に迫る短編5作。「老人の声」は真犯人の行動があらぬ方向にいき何とも切ない。「異邦人の声」はモノ作りニッポンの現場の縮図を描く。人口減少は様々な弊害を生み出す。「息子の声」は借金を背負った年老いた親の放蕩息子がバイクで自損事故を起こし死亡。古手川は事故の原因に違和感を抱く。「夜蝶の声」はキャシーの言葉が印象的。「ヒンズー教徒とイスラム教徒のカップルを祝福できる国なんて日本だけです。そのいい加減さを日本人は誇っていいと思う。」「子供の声」で真犯人が判明。締めは今一か。2025/06/01
貴
82
マリリン・モンローの検視は、ツネトミ・野口によって行われています。死因の見解は「睡眠薬の多量摂取による自殺だと思われる」でもいまだに謎に思えます。検視官の小説を読むたび、けして幸せな人生ではなかったと語られるモンローの、映画の中でのそこぬけに明るい彼女を見るたび、とても切なくなります。2024/03/02