内容説明
船橋東署の刑事矢島正成は、娘の律花が通う幼稚園でバス運転手の不審死に遭遇する。被害者の手には火傷があった。まるで電気のプラグを差そうとして感電死したかのように。そこに人為は及んでいるのか?律花によれば「しろいふくのおねえさん」が、ある者に不思議な力を授けたというが…。以来二十五年、殺人者に加担する“天使”を巡り、刑事たちの奮闘が始まる!
著者等紹介
青柳碧人[アオヤギアイト]
1980年、千葉県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。『浜村渚の計算ノート』で第3回「講談社Birth」小説部門を受賞し、デビュー。著書に、2020年本屋大賞ノミネート作品『むかしむかしあるところに、死体がありました。』など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちーたん
97
★★★☆☆地下鉄サリン事件があった1995年に始まりセンセーショナルな事件の影に殺人に加担する“天使”の存在があった…。天使は殺意のある者に近づいては特別な【力】を授け、殺害方法のアイディアを与える。天使の目的はいったい?◆『悪魔のトリック』という作品と関連があるかも?でもこちら単体でも支障なく読めた!トンデモ設定なので娯楽SFミステリとして読めばテンポもいいし先が気になるし楽しめる!事実私は楽しんだ♪でも途中からこれはもしやの結末の予感…それはダメ、青柳さんやっちゃメッよ💦フッフッフ😎ドーン!😰2020/12/19
ままこ
92
殺人を唆し「アイデア」を与える清冽であり残酷な“天使”その目的とは…。世間を震撼させた実際に起きた事件の年ごとに、数年単位で“天使”が関わった事件が起き登場人物たちがリンクする。光が見えるラストでありながら何となく後味悪さも残る。不思議設定に警察ものを融合させた青柳さんらしいサクッと読めるミステリー。2021/01/07
aquamarine
78
気に入らない相手を「殺してしまいなさい」と時間を止めて現れる、金髪碧眼白いワンピースのあどけない少女。前作悪魔のトリック同様になにかしらの能力を与えられた人物はそれを駆使し殺人者となる…。ひとつひとつのトリックは前作の方が好みで、今回は天使と呼ばれていてもこっちの方が悪魔じゃん、とか思いながら意外とさらっと読み進めていました。でもラストに明かされたものは多少予測がついていたとはいえ、納得の経緯で、私のこの本に対しての印象の全てがそこに持っていかれた気がします。多くの分岐点…なんというか…おつかれさまです。2021/06/03
坂城 弥生
53
天使の支援…人間が神の祝福を受けているという説に基づいた物語だなと思った。被害者が大体悪人だったので正直警察が邪魔な連中に見えたけど。 人間は神様の失敗作。という説に対抗する話だな、と思った。2020/12/17
koma-inu
43
連作短編作。金髪、白ワンピースの天使から、特殊能力を与えられた人が、犯罪を起こす。刑事矢島がそれを暴く。スタンド使いとの戦いのイメージです。リアルな事件解決は放り出され、むしろ付与された特殊能力が何か?を推理する展開に落ち着きます。ただ、なんでもあり感があるため、特殊能力が明かされても、ふーんとなってしまうのが残念なところ。5章で明かされる天使の目的は、4章の時点でやや見え見えですが、近年のコロナ情勢にも関する内容となっているのが真新しいです。2022/02/20
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