感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
74
時代劇で圧倒的多数に七人で挑む話となると、映画の「七人の侍」を想起する。が、あの映画のように重厚長大な感じではなく、軽快でスマートな内容。仲間集めの過程が楽しく、集まったメンバーはそれぞれ一癖あり。誰しもが人生に負い目や悔いをもっており、それゆえに圧倒的不利な戦いに参加する展開には、気分が乗る。四百人の敵との戦闘のため、手妻(手品)的な仕掛けで不意を打って敵勢を削ぐあの手この手が、かなり面白い。その上で斬り合いに突入するのでリアルさと熱さがある。エピローグ的パートも微笑ましく爽やかで、暖かい印象が残った。2020/10/02
Mc6ρ助
12
お気に入りさんの感想から。もうちょっと鳥居耀蔵さんに活躍の場を設けてもらえたら、オマージュ作品の枠を越えたかもしれない・・・。元作品をほとんど知らない爺さまはそれなりに楽しめたけどね。2020/10/18
麺や錦城
9
読み終わったとき、爽快感があった。 人は人との出会いの中で変わっていくものなのだ、と改めて思った。 なかなかよくできた小説だ。 (気にいったセリフ) 後悔しない生き方とは、失敗しないように安全な道を選ぶことではない。 自分の選んだ道を決して否定しない生き方を送ることだ。 時には人は失敗する。そんなときでも、自分で自分を決して否定してはならない。 2020/04/24
ヒストリア
8
新聞での細谷正充さんの書評を読んで購入。「七人の侍」をイメージしたが、ハズレてはいなかった。だが相手は四百人。少人数で大勢を蹴散らす描写にはカタルシスを感じた。終わりのほうで、腰抜けと呼ばれた新庄家の家臣が腕利きと立ち会う場面は映画の「雨あがる」へのオマージュかと思った。2020/04/24
Tatsuhito Matsuzaki
7
かつて水戸藩士であった飛田忠矢は、亡き妻の遺言を果たすために故郷常陸国に赴き、隣接する小藩麻生・新庄家の騒動に巻き込まれる羽目に。 そこで出逢ったいわくありげな面々と共に因縁ある仇敵率いる多勢と戦うことに… 表題や空気感は「雨上がる」、ストーリーの展開的には「七人の侍」を想起させますが、見知った地名が舞台とあって、じっくりしっとり完読出来ました。2020/08/28