内容説明
灯火管制により、漆黒に包まれる夜の東京。しかし東京大空襲の直前、B29を招くかのような火災が起きていた!空襲警報も遅れ、被害は拡大。何らかの謀略が?罪無き人々の犠牲は誰が為に?それに気付いた者は次々と命を落とす。愛するひとを喪いながらも再び立ち上がり、昭和を生き抜いた信吉が、妹の愛した男伊吹と再会を果たした時、すべての謎が解き明かされる。ロングセラー『父からの手紙』の著者が贈る―東京大空襲を描いた傑作長編!
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京生まれ。83年「原島弁護士の処置」で、オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。87年『絆』で日本推理作家協会賞を、90年『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞する。以降、社会派推理、時代小説の旗手として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やすべえ
7
お上の意向や思惑に振り回され犠牲になるのは市井の庶民。戦争を軍事的、政治的に利用され散っていった兵士や市民の行き場の無い魂を考えると本当にやりきれない。しかし僕達の世代が一番アメリカナイズされ目を向けてなかった事に恥ずかしい思いです。日本人の心を改めて考えさせられる一冊でした。2020/10/31
ハートランド
6
東京大空襲での物語ですが責任をとろうとせず、自分の損得だけしか考えない。今の世の中は、十万人のひとを犠牲にしてまで敗戦後のことを考えていた人間たちが、あらゆる分野で指導的立場でいるのです。そうゆうひとたちが滅茶苦茶にした今の国を見て、兄はどう思うでしょうか。そんな社会に警鐘を鳴らすことが出来れば、たとえ僅かでも兄の罪滅ぼしになるのではないかと思ったからです。」 とあるのですが、今の中国問題、コロナ問題にも言えるのではないかと思った。2021/04/17
OHモリ
6
〇庶民をばかにするんじゃない」・何でもないようなラストシーンに泣けた。 ・表紙を上下巻合わせてみれば、太陽を背景に手をつないだシルエットだ。背の高い人と小さい人、親子か兄弟か?誰なんだろう?酔っぱらっていて思い出せないのかもしれないが、こんな関係の二人っていたかなあ・・・・(まだまだだなと反省しております) ・書ききれない感想は上下巻合わせてブログに→https://plaza.rakuten.co.jp/drunk4374books/diary/202006130000/ 2020/06/14
mim
6
戦時が舞台の悲しい小説だった。2019/06/15
ますみ
3
★4 下巻はスルスルと一気読み!2019/06/16