出版社内容情報
今村翔吾[イマムラショウゴ]
著・文・その他
内容説明
「人も同じ、身分は違えども煙草の銘柄ほどのもの」煙管の吸い口を見つめ、平蔵は人の儚き生を思い、正義と悪との境を憂えていた―。京都西町奉行長谷川平蔵は、火を用いた奇っ怪な連続殺人を止めるため、最も頼りにする江戸の火消、松永源吾を京に呼ぶ。源吾は平蔵の息子・銕三郎と真相に迫るが、やがて銕三郎が暴走し―。勇壮な男たちが京の街を駆け抜ける!
著者等紹介
今村翔吾[イマムラショウゴ]
1984年京都府生まれ。ダンスインストラクター、作曲家、守山市での埋蔵文化財調査員を経て、作家に。「蹴れ、彦五郎」で第十九回伊豆文学賞の小説・随筆・紀行文部門最優秀賞、「狐の城」で第二十三回九州さが大衆文学賞大賞・笹沢左保賞を受賞。『火喰鳥』でデビュー、各書店で一位を獲得し、時代小説界の最前線に躍り出た(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
449
シリーズ第4弾!舞台は京都。家族愛、師弟愛、夫婦愛そして友情という素晴らしい物を散りばめられた壮大な物語に、ただただ涙が溢れ、そして、今作は平蔵の生き様に感涙!とにかく涙が溢れるばかり。今作は物語の序章に変化もあり、構成の工夫も感じましたね。ますますシリーズの続きが気になります。読んだあとの余韻が凄い今作でした。2018/06/10
海猫
436
今回は京都遠征編的な内容。なのでいつものチームメンバーが大方、留守番で出番がないのはちょっと寂しい。しかし面白さが落ちることはまったく無く、趣向がちゃんと盛ってあり、死体から火が出るという事件性にも興味を惹かれ読んでしまう。特に長谷川平蔵親子のドラマは印象に残るものがあり、「鬼煙管」というタイトルも読み終えると感慨深い。次巻はまたレギュラーメンバー勢揃いとなるのかな?そのへんも楽しみに続けてシリーズを、追いたい。2018/10/21
W-G
397
ここにきて趣向を変えてきて、舞台は京都へ。お馴染みのぼろ鳶メンバーの登場頻度は低いものの、それを補って余りある濃い新キャラが多数登場。蟒蛇弾馬はかなり気に入った。エピソード自体は、前作に引き続き、単独作品として完結しておらず、野狂を筆頭に、現代でいうサイコパスな悪役の今後に注目。見所がかなり凝縮されており、武蔵と水穂の関係や、手紙だけでも存在感抜群の深雪、そしてなんといっても鬼平親子。序章と終章の美しさに心が洗われる。詰め込めすぎにも散漫にもならず、構成が上手な作家さんだと、毎回思う。2022/06/01
三代目 びあだいまおう
360
第4弾は趣が違う!不穏分子を洗い出し征伐すべく京都で孤軍奮闘する長谷川平蔵の求めを受け駆けつける我らが襤褸とび頭の源吾!そう、舞台は江戸でなく京都!引き連れるは鬼才星十郎と魁武蔵のみ!心強き襤褸仲間も頼れず、謎の人体発火現象におののく京で真相を追う源吾達。迫る最大の祭り『祇園祭』が凄惨な炎に襲われると見る孤軍無力な源吾達。平蔵の息子(後の鬼平)の不安定な正義感、そして蟒蛇と呼ばれる純な地元火消しの弾馬の好漢!『旦那様、お躰に障りはありませんか。私は元気です』嗚呼、深雪!終章の哀愁に尊き命を咽び泣く‼️🙇2019/09/30
tetsubun1000mg
321
1-3巻に続いて読了。 4巻目で舞台が京になり、江戸と違って公家の支配が強く思うように策が打てない。 今回は主役は源吾だが、長谷川平蔵と息子銕三郎の物語になっている。 最後のシーンが圧巻だが「鬼煙管」のタイトルと文庫カバーイラストに感じ入ってしまった。 いま気が付いたが各巻の中心人物と主要シーンをカバーイラストで表していたのか。 カバーを見るだけで各巻の内容が伝わってくる。 イラスト「北村さゆり」、デザイン「芦澤泰偉」の仕事は素晴らしい。 祥伝社の力の入れ方が分かります。 今週で5巻まで読んでしまいそう!2020/03/20