出版社内容情報
機本伸司[キモトシンジ]
著・文・その他
内容説明
突如、世界中で株価が暴落して大不況に。食糧を巡り国内でも略奪・暴動が横行―二〇二九年、半年後に開かれるウェブ万博「日本館」企画部に出向した別所暉は、恐るべき光景を目撃した。日本館の目玉企画として披露されるスーパーコンピュータによる未来予測が、どう転んでも「恐慌」だったのだ。何かの間違いでは?万博協会の上層部は製作サイドに苦言を呈するが…。
著者等紹介
機本伸司[キモトシンジ]
1956年、兵庫県生まれ。PR映画ディレクターなどを経て、2002年『神様のパズル』で第三回小松左京賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yunemo
25
表題に惹かれて、初読み著者。あっという間に崩落する日本経済、いや世界経済。崩落の端緒がこんな具合、すごく現実味があり過ぎて。今進歩しているAIが引き金で自滅への道?ネガティブに考えると、ピークアウトしつつある東京の街、今経済成長はない、身に沁みる表現。その原因がラプラスの悪魔が定めた運命であったり、バタフライ・エフェクトであったり。でも全体的にはいろんな要素を詰め込み過ぎて、ある意味喜劇の世界にも。農礼賛的な結末になるけどそれでいい?知による理解ではなく情で分かる情解、この表現に何となく心の内で納得感が。2018/08/15
ABCorenge
6
結構な大作。著者の機本氏は、神様のパズル以降はあまりパッとしない感じだけど、個人的には好きな作家。スパコンでのシミュレーションとかまさに大好物。神様の〜でも共通する、農作業に対するリスペクト色はやや強すぎる気がするが、全体として非常に楽しめた。アニメ化にも向いてそう。2019/07/16
zero
3
経済崩壊によるディストピアもの。たしかに現代社会は、何かがきっかけとなって、あっさり崩壊したりするのかも。2018/03/24
かぷりん
3
タイトル「未来恐慌」に惹かれて書店購入.はじめてのSF. IT用語や経済用語がたくさんでてきましたが,作者の想像力がすばらしく,最後まで楽しく読めました.個人主義が蔓延する近未来.様々な苦悩を持つ若者.夢も希望も薄れてきた日本.スパコンによる株式の自動売買方式.人々は考えなくなったようだ.そんな中で,経済恐慌が発生し,これを脱するには戦争しかない…(これもスパコンの答え)…人は人のために生きて行く中で生きる喜びを感じるもので,それが夢や希望になるものかもしれない.2018/02/28
ザック
1
ITが進み仮想世界で万博を開くまでになった世界。それでも恐慌は起きるのかぁ。 現実でも不況なら何度もあるし恐慌もあっただけに、経済とかは何なのかを改めて考え…そうになったけどそうじゃないんですよね? ちゃんと最後まで読みましたから分かってますハイ(笑)2020/07/17