内容説明
須崎槇之輔は、元は信州須崎藩の世継ぎだったが、父の起こした刃傷沙汰の咎により、大和鴻上藩に「預」となってしまった。不遇をかこつこと五年。槇之輔は冷水を買う銭も惜しみ、趣味の狩猟と料理で無聊を慰めていた。そんな折、父の仇・城島家に再興の目が出ると、須崎家旧臣の一部が「城島、討つべし」と息巻き始めた!悩める若様に、御家再興の途はあるのか?
著者等紹介
経塚丸雄[キョウズカマルオ]
中央大学卒業後、脚本家として活躍。「旗本金融道」シリーズで時代小説デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てふてふこ
10
父が起こした刃傷沙汰(といっても父は悪くない)、喧嘩両成敗の御定法に則り改易、家の再興を願う不遇の若様・須崎槇之輔。気配り、辛抱の日々だが父の金言「威張らず、なめられず」を習得してゆく。25歳でありながら、私にとって理想の上司です。2020/06/29
剛腕伝説
9
美しい義母と義妹と共に他藩に預りの身となっている須崎槙之輔。御家再興の日を夢見て倹約の生活を送っている。 やはり、この作品の主人公も他の作品同様、感情移入のしやすいキャラクター設定。性格が良くて腕が立つ。主人公に感情移入しやすいから、物語がすーっと入ってくる。やっぱりこの作者は上手いなぁ。 狩猟の腕を見込まれた槙之輔は老中の暗殺を無理強いされる。断れば御家再興の道は閉ざされ、成功しても口封じに殺される運命が待っている。 抜き差しならないピンチに槙之輔が選んだ選択は?2025/02/09
トラジ
4
「すっからかん」。なんと潔いタイトルだろうか。不遇な境遇により己を殺して思慮深い預かり者を演じているが実は癇癪持ちの実直な性格の主人公。お家復興の為に元家臣らを纏めながらの苦労譚がユーモラスな心情描写で綴られている。最後に元家臣たちが内心を語り合う場面に涙腺が弛む。今後も楽しめそうな新シリーズが誕生。2017/10/18
ほにょこ
2
★★★☆☆ 多くのものを失い不遇な状況に押しこめられた主人公が苦労する話。意外と面白いです。 一体何をしてくれるんだろうというわくわく感がありました。 これは続編が読みたいです。 2017/11/24
マコト
1
タイトル「すっからかん」と帯の「ま、ここは辛抱」という言葉に心を惹かれて購入。癇癪持ち、銭がない、信用のおける人物がいないと、いろいろと誰もが「自分も」と共感するところがあるような主人公です。内容も読んでいて面白かった。少し残念なのが、今のところ事件に対して、主人公が単独だと強すぎて、結局、一人でなんでもできてしまうところでしょうか。2017/10/28
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- 和書
- 麗人