内容説明
お園は芋を剥き、鮎を捌く。あの人を思って―。夜道を襲われたお園を助けに現われた男が落とした紙片。そこには謎の食材が書かれていた。それが元夫・清次との思い出に符合すると気づいたお園は、矢も楯もたまらず旅に出る。食材に導かれるように、旅の途上で邂逅する清次とその父の過去。やがて意外な形で旅が終わり…。健気なお園の姿が胸を打つ江戸料理帖。
著者等紹介
有馬美季子[アリマミキコ]
1969年生まれ。慶應義塾大学仏文学科卒業。別名義で活動していたが、『縄のれん福寿』で心機一転、時代小説を志す。派遣OLや試験監督、ビラ配布、図書館や工場の仕事などで社会経験を積む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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メルル
27
失踪した元夫、清次が突然姿を見せた。清次を追いかけ、旅に出る。食材を探しながら、出会う人々に調理を頼まれる。こんなに食でお困りの人々に出会うとは…(笑) それよりお店は?寺子屋は?今回の旅で心残りも解消され、この先二人の仲は益々進展していくのでしょう。もう、すぐにでも夫婦になれそうな雰囲気は十分漂わせているが、まだ引っ張るのかな。2017/07/31
ゆのん
26
縄のれん福寿シリーズ3作目。シリーズを追うごとに面白くなってきている。今回は江戸はほとんど出てこない。お園が暴漢に襲われた事から失踪していた夫にかかわる書付を拾う。失踪の謎を解き自分の気持ちにけじめをつけるため吉之進と共に旅にでる。というわけで旅物にもなっている。行く先々で温かな人々に出会っていく様が良かった。清次の父親の最期の手紙には少し泣きそうになってしまった。10月にシリーズ4作目が出る予定なので楽しみに待ちたい。2017/09/30
たんぽぽ
24
話は強引に急展開。 ちょっと江戸お離れるだけかと思ったら、ずいぶんと無理のある長旅に。 縄のれんで饗される料理が好きだったので、今回はちょっと…。2017/08/15
ううち
13
第3弾。行方不明の夫を探して旅に。お店はずいぶんと放ったらかしで心配になりつつ、土地勘のある武州のお話だったので楽しかった。夫の清さんよりお義父さんの印象がやや強めでしたが…色々と決着がついて良かったのかな。つる芋はジャガイモ?2018/02/08
まはな
10
(購入)失踪していた夫かもしれない人を探しての旅。 ちょっと・・・いやかなり寄り道しすぎてたどり着くのかと思ったけどタイミングが良すぎるくらいの展開と結末までの長さにちょっと疲れてしまう。最後はまぁそうだろうなという感じで選手交代という感じでしょうか。うーん・・・なんかすかされた気分。2017/12/25