内容説明
幕末の名君松平春嶽の師に、と請われるも固辞、俗世を捨て和歌にすべてを捧げた橘曙覧の生涯。年番方与力宇野清左衛門は、詮議所にいた男にある面影を見て、疑念を抱く。長谷川平蔵の幼馴染で南町奉行となった男の矜持と心意気―。小説好き必読!書下ろし時代文庫の人気執筆陣が、人の世を彩る感情“喜怒哀楽”を描き切る特別企画。第一弾は、三つの“喜び”が溢れる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
89
喜怒哀楽のアンソロジー、最後はこれ『喜』の巻!良かった~小杉さん狙いだったが、ハズレない。おお~青痣与力登場!(いやいや助っ人でしたが)短編でもしっかり読ませるなぁ。グッとくるストーリーだった。佐々木作家のも巧い落としどころで納得の『喜』の巻だった。井川さんのは私にはちょっと喜よりも切なかった・・が、こういう競作時代アンソロジーはこれからもどんどんお願いしたいものです。2016/05/16
baba
30
最近流行りの時代物アンソロジー。井川さんの「藁屋の歌」は”喜”よりちょっと切ないけれど、小杉さんの代りはいないとする親の気持ち「跡取り」も佐々木さんの奉行筑後守の人を思う気持ち「鬼の目にも泪」どれもじんわりと、そしてグッときて良かった。いつでも母さん有難う。2016/06/21
ベルるるる
26
来年は維新150年。そんな時に、1話目の「藁屋の歌」に巡り会えた事に感謝。幕末の激動期、幕府を守るために戦った男達も倒幕の為に戦った男達も、日本の為に生き、そして死んでいき、そして殺されていった。どちら側だろうと、そこには静かな信念を持ちながら、覚悟を決めた生き方を貫いた男達が間違いなく大勢いた。1994年、訪米された天皇陛下の前で、クリントン大統領は、この1話目の主人公である橘曙覧の歌を引用されたと後書きにあった。2017/12/21
み
23
ジャケ読み。ちと好みのお話しがなく…。残念なり。お二人は嫌いじゃない作家さんなのに。2018/01/27
rakim
11
時代小説は好きなのですが、これまであまり読んだことのない作家さんが何人か参加されているアンソロジー4冊組み「喜怒哀楽」の一冊目。読みやすい中編ですが、それぞれ読み応えありで読みたい娯楽時代小説が増えそうです。しんみりしたりほっとしたりスッキリしたり。2016/05/19