内容説明
秋月栄三郎は又平を伴い東海道を大坂に向かっていた。幼少時に通った剣術道場の師・山崎島之助の具合がよくないという文が、父・正兵衛からとどいたのである。彼の剣の原点は山崎道場にあった―野鍛冶の家に生まれ武士に憧れた少年が、いかにして気楽流剣客として“手習い道場”を構えるに至ったか。取次屋を育んだ人々の大活躍に笑いと涙の花が咲く浪花人情譚。
著者等紹介
岡本さとる[オカモトサトル]
1961年、大阪市生まれ。立命館大学卒業後、松竹入社。松竹株式会社九〇周年記念新作歌舞伎脚本懸賞に『浪華騒擾記』が入選。以後、演劇制作や舞台作品の脚本を執筆、『水戸黄門』などのテレビの人気シリーズも数多く手掛けた。2010年、『取次屋栄三』(祥伝社文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
107
取次屋栄三「三十石船」15巻。浪速野鍛冶の実家に戻る道中旅と、栄三郎さんの剣客となった過去が浪速人情話よかったですよ。2015/09/18
やま
89
取次屋栄三15作目 2015.09発行。字の大きさは…小。東海道 情けの掛川、お礼参り、三十石船、親の欲目の4話。気楽流の印可を受けた剣客秋月栄三郎は、剣術道場の師・山崎島之助の病状を父からの便りで知り、急ぎ大阪へ向かいます。その道中での物語です。剣術の恩師山崎島之助は、元気なのですが、幼い頃に大変世話になった鈴木風来軒が亡くなっていました。風来軒は、栄三郎へ「楽しみを見つける極意」をしたためて有りました。🌿世の中の あほ見て笑え🌿あほ見て笑うほどの楽しみはなし🌿ならば まず己があほになるべし🌿→2021/01/12
真理そら
49
栄三が大阪住吉の実家に帰る道中記と実家での取次。実家が住吉鳥居前なのでその界隈の話なのだが地元に住んでいる立場には馴染があるものの大阪でもマイナーな地名が登場するので驚いた。作者は大阪市出身だったのですね。栄三がなぜあんなキャラなのかが分かるような家族やご近所さんだった。2021/01/28
み
29
さくさくと♪既刊読んじゃいました(>_<)しばらく栄三さんに逢えないなんて…。今作は、新たにお侍さんとの繋がりが、これからの絡みが楽しみです。2016/03/31
ドナルド@灯れ松明の火
18
今作は、栄三郎と又平の大阪までの旅の話。ほんとに岡本さんのプロットのうまさには感心する。旅で知り合った道中方手嶋と知り合い、掛川でやくざどもをやっつける。また一人強力な人材との輪が広がり最早無敵?大阪で元気にしている父親の息子自慢に辟易としながらも楽しい生活を過ごすのが息抜きとなる。 お薦め2020/06/09