内容説明
凍てつく冬、蝋燭問屋殺しで、腹違いの弟・忠助が捕らわれる。番頭らの話から日頃の冷遇を恨んでの凶行と思われた。だが事件の夜、外で忠助を見たという大工は証言を翻した挙げ句、不審死を遂げる。忠助の無実を確信し、黒幕を灸り出すべく大胆な罠を張る青柳剣一郎。驚くべき奸計が顕わになる時、敵は牙をむいた。青柳父子は真に守るべき者を守りきれるのか!?―。
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京生まれ。83年「原島弁護士の処置」で、オール讀物推理小説新人賞を受賞し作家デビュー。『絆』で日本推理作家協会賞を、『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞する。以降、社会派推理、時代小説などを執筆し、幅広く活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夢子
14
息子、剣之介も見習い与力なごら父親譲りの鋭い捜査力を持ち今回は父親を助けてとても、立派になってきましたよ。続編かたくさんあり後30冊以上は読まないとです。2024/09/27
だいしょう@SR推進委員会
4
読んでいて、ちょっとまどろっこしい部分が時折あって、ひっかかりつつ読了。ストーリーというより、文章と構成かな。 最後の大事な「ここ」をとっておくために、ずいぶんともってまわった感じになったような気がする。剣一郎もぐらぐらで、精彩に欠ける印象。こんな男だったけ? 四十にして惑いっぱなしだわ、最近。その分、息子の剣乃助がいい役回りになっちゃってる。父よ、がんばれ。2013/09/28
あかんべ
4
父、剣一郎が出てきたとたん、影が薄くなってしまった剣之助だったが、最後いいところで、父をだしぬいた。吟味方与力見習いとしての才もありそうで、これからも楽しみ。2013/05/31
昌子♪♪
1
時代版ストーカー!?2017/09/18
FK
0
シリーズ24作。冤罪事件というか、陥れられた無実の人を助ける話。考えてみたら、この世の中には犯罪を犯し、他人に罪をなすりつけてでも自分の欲望を満たしたいと思う人が少なくないということだ。こういった欲望が渦巻いている中ではよほど気をつけていないと騙されてボロボロにされてしまうのだ。そんなことを知ることになるだけでも、お勉強になるということか。 2015/06/16