内容説明
文政四年十一月のある夜、屋台ずしを営む華屋与兵衛は、主殺しの下手人にされた呉服問屋の手代・房吉を一時匿った。だが、助けてほしいという願いは拒絶。与兵衛には、人には言えない過去があったのだ。直後、房吉は土左衛門に、その許嫁も身投げした。与兵衛は真相究明を己に課すが…。過去を捨て、町人として生きる男の覚悟と苦悩、成長を描く時代推理の意欲作。書下ろし。
著者等紹介
逆井辰一郎[サカサイシンイチロウ]
1945年、北海道生まれ。ちゃき克彰のペンネームで、「銭形平次」「八丁堀の七人」「子連れ狼」など多数のテレビ時代劇脚本を執筆。2009年、『風早幻四郎聞香剣』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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真理そら
13
華屋与兵衛は「伝説の」料理人らしいので調べてみたら握りずしの考案者だった。設定が元武士が別人になって別の人生を送るというサスペンスタッチだったので興味深く読んだ。寿司職人としてのお話というより、武士の生き方について考えさせられるお話だった。早寿司ができあがるまでシリーズ化してくれたらよかったのに。2018/03/14
nyaboko
4
屋台寿司を営む貧乏町人が、その義心から見捨て難い人たちを助けようとコソコソと動き回る話。元脱藩浪人である事件も平行して動くので飽きない。人情溢れるお話なので、そういったのを読みたい人にオススメ。はやく続きがでないかな。2012/07/17
ううち
2
お寿司を作るところとか、商売のノウハウとかを期待していたのだけど…2013/03/09
みいちゃん
2
実在の人物、伝説の料理人「華屋与兵衛」を主人公にしたお話。 「偽名」はすべてを犠牲にして命をかけて藩命に従った下斗米秀之進と理不尽な藩命に嫌気がさし過去を捨て名を捨て、町人として生きることを選んだ与兵衛、自分の心に素直に生きる男と死んでいく男、とっても深い・・・・ これからの展開が楽しみな作品でした。2012/10/03
壱分銀知恵
2
本筋もそうだけど、握り鮨にいつ・どのようにたどり着くかがワクワクです。2012/05/01
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