内容説明
お家騒動で揺れる出石藩の姫君が江戸市中で命を狙われた。武蔵国等々力村に身を潜めた姫の護衛に選ばれたのが、算盤侍の唐木市兵衛。美貌の上に天衣無縫な姫君、初めての市井の暮らしに目を輝かせるが、農民の困窮に心を痛める。そして無謀な行動に出たことから敵方に知られることに。月光の下、殺到する刺客に“風の剣”を振るい立ち向かう市兵衛と姫の運命は。
著者等紹介
辻堂魁[ツジドウカイ]
1948年、高知県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、出版社に勤務。その後退社して本格的に執筆業に入る。迫真の剣戟と江戸情緒溢れる人の絆を描く作風には定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫綺
53
シリーズ第4弾。今回の仕事は、お家騒動で揉める出石藩お転婆姫君の護衛。時代劇によくあるパターンだが、それでも痛快にして爽快!市兵衛が如く、風のように縦横無尽に生きたいものである。2024/01/29
万葉語り
43
シリーズ4作目は御家騒動で命を狙われるお姫様の護衛なので、そろばんは封印。今回は戦闘シーンが非常に多く、弥陀ノ介も大活躍でした。居眠り磐音と市兵衛さんが立ち会ったらどっちが強いんだろう。風のように生きる市兵衛さん。最後でちょっとはらはらしたけれど次も読めそうな展開でよかった。2018-1792018/09/24
ひさか
34
2011年2月祥伝社文庫刊。書下ろし。シリーズ4作目。出石藩のお家騒動から姫を警護することに。介錯人の別所龍玄さんの登場に驚いたが、介錯人シリーズの始まりは、この話のあとのようで納得。2018/06/11
み
32
今回も剣の方の魅力全開(^.^)助けられたら惚れちゃいますよね、強過ぎだもん。宿敵は登場せず、いつ決着するんだろ。2015/10/23
のびすけ
27
出石藩の跡目をめぐる対立で、市兵衛は姫の護衛として雇われる。姫とお美代のお互いを思いやり、助け合う姿に感動した。それにしても市兵衛は女泣かせだね。剣は無敵で、向井理みたいに格好よくて、自分を守るため胸に抱きすくめられたら、誰だって「市兵衛・・・」てなるさ。証文を盗んだ姫を市兵衛が叱りつける場面、市兵衛もこんな声を荒立てることがあるんだ、と思って読んでる自分もドキッとした。2020/01/29