内容説明
「権力は与えられるものではなく、自分で勝ち取るものだ」公職にゲイの候補者を出すことが、ゲイ・ムーブメントを前進させる最善の手段だ…。そう確信したハーヴェイ・ミルクは、市政委員に立候補することを決意する。
目次
1 希望のない日々(シャツを着ない男たち;平凡なゲイ;ジュディ・ガーランドの死;海辺のソドム)
2 カストロ・ストリートの市長(政治は芝居だ;初期の侵入者たち;戦いのはじまり;ゲイのメイン・ストリート ほか)
著者等紹介
シルツ,ランディ[シルツ,ランディ][Shilts,Randy]
学生時代からゲイであることを公表し、1981年から『サンフランシスコ・クロニクル』紙の記者として活躍する。82年に『MILK―ゲイの市長と呼ばれた男ハーヴェイ・ミルクとその時代』を出版。初期の段階からエイズの取材・報道に精力的に取り組み、『そしてエイズは蔓延した』(草思社刊)を著した。その後も同性愛者の差別・エイズ問題に関してのトップ・ジャーナリストであり続けたが、94年2月17日、エイズによる合併症のため亡くなった
藤井留美[フジイルミ]
翻訳家。上智大学外国語学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinka
1
アメリカで初めてゲイであることを公言してサンフランシスコ市政委員に当選した、ハーヴェイ・ミルクと、70s後半の情勢を追ったノンフィクション。ショーン・ペンがアカデミー主演男優賞をとった映画MILKの公開に合わせて文庫化されたもの。上巻は、心に漂泊者を飼っていた保守主義者のゲイが、時代と共にその本性を現し、次第に大衆主義を謳う政治家になっていく様子が描かれる。過激でやっかいなパフォーマーだけど、ただのポーズと違う強烈な信念を持つ、つまり魅力的なミルクという人が見えてきたところで下巻へ。2015/02/28
nana_hyr
1
ショーン・ペンの映画も良かったですよ。
ウクレレまさあき
0
新宿 K's cinemaで、映画『ハーヴェイ・ミルク』を観た。1984年公開のドキュメンタリー映画。で、この本をもう一度読み始めた。上巻は、彼がゲイで初めてサンフランシスコの市政委員に当選するまでが描かれてる。 改めて読むと、僕が大好きなミュージカル「HAIR」に彼が関わっていたこと、サンフランシスコ文化がヒッピーからゲイ変わっていく様など、アメリカ激動の'60年代から'70年代にかけてが自分の中で繋がっていって面白かった。 衝撃の下巻に続く。2018/12/28
もっくん
0
今や社会的地位が徐々に認められつつある「ゲイ」が、以前はこんなにまで蔑まれていたのか、と教えてくれる一冊。映画化をきっかけに購読したが、実話に基づいているので、ストーリー展開が少し史実の羅列・連続になりがちで、多少面白みにかける。ただ、「ゲイ」という今では想像できないハンディキャップを乗り越えて政治活動に携わったMilkの生き様はかっこいい。