内容説明
「早く乗せて!」非番の刑事天城憂の車に、女性が乗り込んで来た。真幌市在住の有名なミステリー作家闇雲A子だった。この春から十一件も連続して殺人事件が発生している。その「真幌キラー」をA子は追っていたのだ。死体の耳が焼かれ、傍には必ず何かが置かれている。犬のぬいぐるみ、闘牛の置物、角材…。真幌市を恐怖のどん底に陥れる殺人鬼の正体とは。
著者等紹介
麻耶雄嵩[マヤユタカ]
1969年、三重県生まれ。京都大学在学中は推理小説研究会に所属。91年、島田荘司、綾辻行人、法月綸太郎諸氏の推薦を受け、新本格派第二世代として『翼ある闇』でデビュー。華麗な登場人物と大胆な結末で読者に驚きを与えている
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感想・レビュー
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sk4
68
架空の都市【まほろ市】の四季を舞台に、倉知淳(春)、我孫子武丸(夏)、麻耶雄嵩(秋)、有栖川有栖(冬)の四人の推理小説作家がそれぞれの季節の殺人にまつわるミステリーを描いた中編アンソロジー。冊子は別々に四冊です。 で、麻耶さんの『闇雲A子と憂鬱刑事』ですが、すごく面白かった。と言うか、脳を使い倒した〜! ハイテンションのA子とローテンションの憂鬱刑事のコミカルな掛け合いの奥に、犯人探しよりも難しい動機の謎が(笑) 冒頭の物語の意味に気づかなければ、この本の面白さは半分ですぞ。2013/07/23
ダイ@2019.11.2~一時休止
66
架空都市の話その3。麻耶さん篇。キャラ的には一番イイ。このキャラで他の話はもう作らないのだろうか?。2013/10/07
aquamarine
63
秋パートは麻耶さん。文章が少し読みにくい気がしましたが、それも含めてしっかり麻耶作品ですね。麻耶さんの持つシリーズの一冊かと思うほどキャラ設定がしっかりしていますが、連続殺人の被害者はあっという間に関係者になってしまいとても切ないです。中編なのを忘れさせるほどいろいろ詰まっていて、たっぷり伏線があるのに謎解きされるまで全く気付かない。しかも謎解きするのは思いがけずに…。そしてラストまで気が抜けません。最後の一行まで堪能した後何気なく冒頭の「川原の四季」に戻ってドキッとしました。麻耶さん凄い!2016/03/07
セウテス
55
まほろ市の四部作の秋。真幌キラーと呼ばれる連続殺人犯を追い掛ける、闇雲氏と人嫌いな刑事の話。なのですが、麻耶の作品であり登場人物が個性豊か過ぎて、まほろ市の世界を余り楽しめ無くて残念に思う。一つの作品としては120ページ程の中編の中に、これでもかと謎と独立した物語が詰まっていてお腹いっぱいになった。実のところ真幌キラーが残していく特徴と暗号が解けると、沢山在りすぎの伏線から、連続殺人犯は解かります。しかし今回の事件が理解しにくい事と怪盗ビーチャムの事と、説明仕切れていない感じを受け、是非続編が必要に思う。2015/05/09
糸巻
32
倉知・我孫子・麻耶・有栖川、四人の作家による競作『幻想都市の四季』シリーズ。秋の麻耶雄嵩編。130頁弱の中篇。春から読んだ方が良かったのか?まほろ市という舞台がよくわからなかった。そして中篇だからと何となく読んでいたら、想像もつかない結末だった。いや、途中でこの人かなと思いはしたけどまさか、は著者らしいのか?終わってみれば、あーなるほどー!だった。2019/07/10
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