内容説明
十兵衛亡きあとの混迷の江戸柳生。対する連也斎率いる尾張柳生の隆盛。―将軍家剣術指南役の家に生まれながら、坊主にさせられた烈堂は、不甲斐ない当主に代わって連也斎を倒すべく修行の旅に出た。めざすは父宗矩に剣禅一如の極意を授けた沢庵和尚の秘奥義。が、連也斎も同じものを求めていた。沢庵が遺した謎の問答をめぐり、烈堂の剛剣が鞘走る。
感想・レビュー
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星落秋風五丈原
15
十兵衛亡き後の混迷の江戸柳生。対する連也斎率いる尾張柳生の隆盛。将軍家剣術指南役の家に生まれながら、坊主にさせられた烈堂は、26才。不甲斐無い当主49才の宗冬に変わって将軍家綱の前で御前試合を行う事に。前の御前試合では、宗冬が連也斎に敗れていた。京都で何者かに狙われているのを察知した烈堂は、父宗矩に剣禅一如の極意を授けた沢庵和尚の秘奥義「空の書」を求めて再び旅に。前の旅で知り合った黒鍬組のお紺と再会。大原の雑魚寝で一夜を共にした女は、実は忍び闇雲で、尾張柳生が烈堂を殺さんと連也斎に黙って放った刺客だった。2003/07/05
旗本多忙
15
兄十兵衛の死の真相を知り、恨みを晴らした烈堂は僧時代の相弟子、一崕と廻国修行に向出る。悪天候で足止めを食った二人は、師匠又右衛門のいる鳥取城下に足を向ける。備中高梁で災難に遭うも一人の武芸者の助けで難を逃れる。兄宗冬からの刺客なのか‥‥。江戸柳生の宗冬は、その昔御前試合に於いて尾張柳生に敗れた。その屈辱が今また‥将軍指南役の立場としては絶対に‥‥。烈堂を助けた武芸者は誰か。烈堂は沢庵禅師の残した、剣の秘伝書を求める旅に出る。堂々の2巻。2018/09/11
だっち
1
★★★⭐︎⭐︎ This is the second work of the Retsudo series. Mr. Hisaka's postscript is good. It's a book I happened to pick up, but it's more interesting than I expected.2021/11/26
再び読書
1
剣の腕ではからっきしの宗冬が、むかつくのを抑えて江戸柳生の面目の為、尾張柳生の連也斎との対決に列堂を引っ張りだす。剣の腕では石舟斎、兵庫助の流れをくむ天才剣士に勝ってしまう話には少しというか大分無理があるが、フィクションと割り切り楽しめた。2012/01/22