出版社内容情報
イエスは、なぜ、十字架上の死を選ばねばならなかったのか…衝撃的な奇蹟、戒律、原罪の謎をやさしく解明する。
目次
1章 キリスト教と私―こうして、私はイエスに近づいた
2章 聖書の中の真実のイエス―“愛の証明”だけを説きつづけた人間の生涯(当時の政治情勢とイエスの立場;酒と笑いに満ちた絶頂時代;民衆の期待に無力なイエス;最後の晩餐;裏切り、逮捕、そして処刑;聖書最大の謎―“復活”の奇跡)
3章 聖書の謎―なぜあなたは、キリスト教に親しめないのか(奇跡とは何だろう?;厳しい制約がイヤだという人のために;バース・コントロールの是非;“離婚”と“自殺”について;原罪とは何か?:キリスト教とほかの宗教)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
57
「聖書」、「キリスト教」に関しての入門書としては、最適ではないでしょうか。遠藤周作氏が非常に分かり易く書いてくれています。こちらを読んで多少なりとも、キリスト教やイエス・キリストに興味を持たれたら、「イエスの生涯」、「キリストの誕生」なども読まれたら良いと思います。私としては今回この書を読む事により、キリスト教における「奇跡」に対しての、遠藤周作氏の考えを良く知る事が出来たのが収穫でした。これからは他の方のキリスト教に関する本も読んでみて、広い視野で「キリスト教」に対しての理解を深めて行きたい。2016/10/30
優希
42
周作先生の信仰の想いが伝わってくるようでした。分かりやすくキリストとキリスト校について書かれていると思います。聖書を読みたくなりますね。2024/02/28
かおりんご
34
私にはしっくりきました。日本人に受け入れやすいイエス像かも?イエス自身も無力だったし、人を癒すのは手当てというだけって手を当てる行為というところにも納得です。これは、繰り返し読みたい本ですね。『イエスの生涯』も読んでおくと読みやすいと思うし、聖書を横においてそのページを開きながら読むのもおすすめ。2017/05/22
かおりんご
28
再読。改めてキリスト者になってから読むと、さらにしっくりくることだらけ。今の神父さんたちのお説教では、遠藤氏が説くように『イエス・キリストは愛に満ち溢れた方』なので、この本が書かれた時代とはキリスト像が変わってきたのかもね。バースコントロールや、離婚についてもゆるーくなってきたみたいだし。裏切られても、人を愛し赦す。なかなかその境地にはたてないですが、頑張ります。2019/12/15
十川×三(とがわばつぞう)
16
良書。著者による、イエス、聖書の解釈。とても分かり易い。「奇跡」の見解も▼イエスの最期。ひどい仕打ちを受けてもなお、裏切った弟子達を恨まず、愛した。師の伝えたかったことが、あの死をもってして初めて弟子は理解できた。師を裏切った弱い弟子達が、強い使徒に変わった。あのむごい最期があってこそ、今もなお続く世界的宗教となる。2025/06/26