内容説明
阪急梅田駅では、神戸・宝塚・京都の三本線の列車が同時に発車する。写真家菊地が撮影に来た夜、旧友の木内えりかが六甲駅ホームから転落、死亡した。遺体からは睡眠薬が検出、殺人だった。被害者が自費出版を進めていたと判明した矢先、新たな殺人が!えりかの祖父宏栄は、戦中の阪急顧問弁護士で、社長の小林一三や吉田茂、石原莞爾と交流。大戦末期に和平を訴えて政府を批判し、獄死していた。未刊の本は宏栄についてのものと思われ、十津川はこれこそ事件解決の鍵と睨むが、捜査は思惑を超え、難航した…。
著者等紹介
西村京太郎[ニシムラキョウタロウ]
東京陸軍幼年学校の一年生として終戦を迎えた著者は、戦争への思いを語り継ぐ意欲がますます盛んである。昭和38年「歪んだ朝」でオール讀物推理小説新人賞、40年『天使の傷痕』で江戸川乱歩賞、56年に『終着駅殺人事件』で日本推理作家協会賞、他にも日本映画テレビプロデューサー協会エランドール賞特別賞、日本ミステリー文学大賞、長谷川伸賞など数多くの賞を受賞。令和元年は第四回吉川英治文庫賞に輝いた。昭和5年、東京生まれ。神奈川県湯河原町の西村京太郎記念館での読者交流も積極的に行なう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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旅するランナー
137
阪急電車六甲駅で人身事故が起きる。それが、吉田茂・ 石原莞爾・小林一三らにつながっていく。事件の根は、関西に、それも戦争中の関西にあるのだ。十津川警部シリーズの名を借りた、西村氏による戦争語り、戦争批判。十津川警部たちが史実の捜査を面白がることに違和感がある。面白いか面白くないかは読者次第です。2019/12/12
Syo
34
う〜む。 阪急六甲駅の近くに 下宿していたこともあり、 梅田駅には毎週のように 行っていた時期もあり、 期待してたんだけど…。 はっきり言って 全然ダメ。2020/08/12
ひろりん
16
テレビドラマでしかこのシリーズは知らなかったのですが、初読みです。本屋で目に留まり、普段利用している鉄道が舞台だったので興味を持ちました。殺人事件が戦中、戦後の有名人との関わりにまで発展したりと、フィクションを史実に上手くミックスさせてるなとは思いました。しかし、殺人事件のそのものがちょっとぼやけてるなという印象がなくもない。普段よく目にする風景がたくさん出てきて、情景は想像しやすかったです。2020/03/07
ゆう
14
阪急電鉄にひかれて読んでみたけど、思っていた内容とは全く違った。 戦争など昔の話が出てきて、退屈で飛ばし読み。阪急電車がもっと出てきて、電車のトリックとかあるのかなと思ったら全然違ったし話も分かりにくかった。2022/05/08
MASA PAPA
14
通勤電車。当然、駅構内の本屋は平台。 初、西村京太郎。 読む前、勝手に推理する本と思っていたため若干拍子抜け。それでも一気読みさせられた。 親父が生まれる一年前の混沌とした時代。 東条英機をもう少し詳しく知りたいと興味を覚えた。2019/11/03