内容説明
8月の晴れたある日の午後、母妙子が殺害された。それは娘の美幸にとって、あまりにも残酷な出来事であった。死体の第一発見者は、会社を早退し帰宅した父陽助。警察は初め陽助を疑っていたが、彼には確固としたアリバイがあった。だが、父や姉の態度に不審を抱いた美幸は、陽助が会員になっている「探偵倶楽部」に調査を依頼した。一方、警察は、妙子には駆け落ちを約束したカルチャーセンター講師の中野という愛人がおり、心変わりを責められて中野に殺されたという結論に達したが…。政財界のVIPのみを会員とする「探偵倶楽部」が鮮やかに難事件を解決する、表題作『依頼人の娘』他4編を含む、長編連作推理。
目次
疑装の夜
罠の中
依頼人の娘
探偵の使い方
薔薇とナイフ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
67
確かにその頃こういう小説形式は「長編連作」と呼んでいたね。今は「連作短編集」と呼ぶことの方が多いけど。2018/03/05
takaC
24
作者によれば、「探偵倶楽部」というキャラクターは主人公ではないそうです。まあ、確かにそうだ。2011/06/25
なな
15
読みやすいオムニバス。探偵倶楽部 私も入っておきたいかも。2014/03/06
mintia
8
さくさくと読むことが出来た。探偵倶楽部の活躍が面白かった。2017/03/31
kaizen@名古屋de朝活読書会
8
偽装の夜 罠の中 依頼人の娘 探偵の使い方 薔薇とナイフ の5話が入っている。 いずれも,探偵倶楽部という高級な倶楽部制の探偵事務所への依頼からなる。 依頼が中心の物語と,探偵以外の活躍がある物語と、色とりどりで面白い。 能力の高い探偵だが,時として、正確な情報を組み合わせると間違った判断にも役立ってしまうこともある。 東野圭吾の本領発揮の物語。 「探偵倶楽部」という標題に変えたNon Pochette版には「本格推理小説」と東野圭吾の横に書いてある。 東野圭吾は本当に本格推理小説が好きなんだというこ2011/11/13