出版社内容情報
武器としてのウソと言いがかり
SNSや動画サイトの大衆化によって、ウソは権力者たちの
「新しい武器」として使われるようになった。
そして、放たれた大量のウソは、信じ込んだ人々を巻き込んで「言いがかり」となり、
ターゲットにされた人を濁流の中にのみ込む。二〇二四年の兵庫県知事をめぐる問題では、
こうした攻撃によって関係者が自殺するという悲劇を生んだことは記憶に新しい。
もはや正論が通じない時代にあって、我々には為す術がないのだろうか?
本書では、過去から現代にいたる数多くの事例を研究分析しながら、問題の構造を検証する。
そこから明らかになる対処法とは――。
[目次]
第一章 ウソと言いがかりの帝王 ドナルド・トランプ
《一期目の大統領就任前から問題視されていた「トランプのウソ」》
《「ファクトチェック」でトランプのウソに抵抗した米国メディア》
《大統領選での敗北を認めず合衆国議会議事堂への突入を煽ったトランプ》
《二期目に入りエスカレートする「ウソを根拠にする言いがかり」》
《破壊的なウソと言いがかりが創り出す「野蛮な王国」》
第二章 日本国内でも跋扈し始めたウソと言いがかりの使い手たち
《街頭とネット動画を舞台に言いがかり攻撃を展開した立花孝志》
《「でっちあげ」との決めつけから一転「興味がない」》
《精神にダメージを与える「集団的言いがかり攻撃」の恐ろしさ》
《自殺した元県民局長にも「ウソに基づく言いがかり」を続けた立花》
《「群衆心理」の高揚感や結束感で消失する「倫理のタガ」》
第三章 ウソと言いがかりが引き起こした戦争の数々
《「リメンバー・ザ・メイン!」を合言葉に始まった米西戦争》
《米軍のベトナム軍事介入の口実とされた「トンキン湾事件」》
《「大量破壊兵器を隠している」との言いがかりとイラク戦争》
《言いがかりでウクライナに侵略したプーチンの「特別軍事作戦」》
《日本軍の「言いがかり」で始まった「満洲事変」や「第一次上海事変」》
第四章 歴史歪曲と差別の正当化にも使われるウソと言いがかり
《ナチスのホロコーストの出発点だったユダヤ人差別の言いがかり》
《関東大震災後の虐殺を招いた「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などのデマ》
《ウソと言いがかりで正当化される日本軍の捕虜と市民の虐殺》
《沖縄県民やアイヌを標的とする民族差別と踏みつけの言いがかり》
《過去の歴史的反省をウソや言いがかりで攻撃する人間の心理》
第五章 「ウソと言いがかりが勝つ時代」に社会はどう対処すべきか
《世界で進行する「ウソと言いがかり」のビジネス化》
《ウソと言いがかりの常習犯に見られる「歪んだ全能感」》
《「国や社会を守る」という大義名分でなされる差別や言いがかり攻撃》
《人はなぜ物事を「勝ち負け」で理解する
【目次】
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- 和書
- 花ノート365日