内容説明
地域医療を志し、開業して四〇年。患者の高齢化は、予想を遙かに超える速さで進んだ。著者は医療技術の進歩と共に歩みながら、高齢化による、かつてはなかった病の数々を目の当たりにしてきた。時代に対処すべく、医療制度も変わった。地域全体で患者をケアするという流れに、著者も深く関わり、実践を繰り返してきた。その成果は、本書にも盛り込まれている。バラ色の「人生一〇〇年時代」が謳われる陰で、医療現場は高齢者特有の病気との戦いの日々がつづく。いかによりよく人生を全うするか?痛みも苦しみも不安もなく、いかに長生きを楽しめるか?現場からの報告である。
目次
フレイル、ロコモ、サルコペニアにならない、元気高齢者を目指そう
リハビリテーション医療の有用性―超高齢化社会に向けてますます高まる、リハビリテーション医療の必要性
緩和ケア―最近の進歩と症例検討―人生の最期も、心配なく過ごすには
高齢者の腰痛対策―腰痛では、なかなか入院させてくれない
骨粗鬆症―骨折を防いで元気に暮らす
在宅医療―病気になっても家庭で過ごせるシステムです
今、話題の地域包括システムと、訪問リハビリテーションとは―超高齢化社会では、だれもがリハビリが必要となります
認知症を知って、みんなで支える―まだ薬には頼れない
脳梗塞の予防と治療―寝たきりは嫌だ。がんよりも長くて辛い
百寿者を知って、目指すには?―百寿者は日々の生活、医療、ケアの結果です
慢性心不全―慢性心不全の死亡率は末期がんに近い、というのは本当なのか
高齢者の肺炎―簡単に死なないために、肺炎をよく知っておこう
著者等紹介
林滋[ハヤシシゲル]
1947年、東京都生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、都内板橋区で「林クリニック」を開業。40年にわたり、医療と介護の機能的な連携を目指して、地域医療に取り組む。特に生活習慣病、高齢者の血栓に関する疾患、認知症治療に力を入れ、訪問診療のパイオニアでもある。日本血管血流学会理事、日本血栓止血学会代議員、日本血液学会専門医・指導医、NPO法人国際生活習慣病フォーラム理事長、板橋区もの忘れ相談医など多くの役職を持ちながら、日々診療をつづけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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