出版社内容情報
佐藤 実[サトウ ミノル]
内容説明
地上のエレベーターと同じように、ケーブルを使って宇宙を“昇り降り”する―これはSFの世界ではありません。その原理は、科学的に認められています。原理だけではありません。二〇一三年、IAA(国際宇宙航行アカデミー)は実現可能性を評価、翌年には常任委員会を設置しました。また、大林組では、実現に向けたプロジェクトが立ち上がっています。本書は宇宙エレベーターのしくみをやさしく解説、宇宙開発の歴史や最新情報(インタビューあり)を通して、その実現性を探るものです。
目次
第1章 宇宙エレベーターとは?
第2章 実現性と最新テクノロジー
第3章 宇宙空間の法律と安全保障
第4章 特別インタビュー
第5章 宇宙開発の歴史
第6章 宇宙エレベーターが開く未来
著者等紹介
佐藤実[サトウミノル]
東海大学理学部/清水教養教育センター講師。1966年、北海道生まれ。東海大学理学部卒業、同大学院理学研究科物理学専攻博士課程後期単位取得退学。2000年より現職。専門は宇宙エレベーター、物理教育研究、科学映像教材。第3回日経「星新一賞」一般部門グランプリ受賞、NHK BSプレミアム「2050年 宇宙エレベーターの旅」監修。宇宙エレベーター協会フェロー、日本物理教育学会理事、CIEC理事も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kk
15
図書館本。宇宙エレベーターの構想・原理、実現に向けた現在の開発状況と課題、そしてその課題や可能性などを一般向けにザックリと概説。まだまだ道は遠いようですが、宇宙の彼方に向けて、夢と浪漫が高く遠く拡がっていくのを感じます。今生の間に、その実現を是非この眼で見てみたいと願います。2024/05/18
緋莢
15
元々、「宇宙エレベーター」というものに興味があったことに加えて、アーサー・C・クラーク『楽園の泉』を読んだので、この新書を手に取りました。そもそも、宇宙エレベーターがどういうものなのかというところから、要となるケーブルの材料として可能性があるカーボンナノチューブについてや宇宙エレベーター構想を立ち上げた大林組のチーム幹事らのインタビューなどで構成されています。一番のネックは技術よりも、法律やテロの危険性等だと感じました。後、<クラウドファンディングは宇宙エレベーターにふさわしい資金調達の方法です>(続く 2020/12/17
向う岸
13
SF作品でも良く取り上げられる宇宙エレベーター。建設費はリニアモーターカー整備と同等と見込まれ、完成すれば現在のロケットによる運搬コストから100分の1になるとのこと。ケーブルに使える素材はカーボンナノチューブが最有力だがまだ実用段階にまで至ってない。宇宙エレベーター建設に参加しておかないと使用量を払うばかりで運行の収入を得ることが出来なくなる。カーボンナノチューブでは日本が世界をリードしているそうなので頑張って欲しい。指摘されてなるほどと思ったのは、技術面よりも宇宙空間における法整備が進んでいないこと。2016/12/12
チェアー
13
宇宙エレベーター実現の最大の障害は、ケーブルの材質。カーボンナノチューブが最有力とされるが、強度や長さに難あり。まだだれも本格的に宇宙エレベーターを目指した開発をしていないので、本気で投資すればブレイクスルーが起きる可能性はあり。宇宙エレベーターが実現すれば、観光や産業、宇宙移民で大きなプラスになることは間違いない。建設コストも射程距離。しかし、この本、途中でほとんど関係ない宇宙開発の歴史などを入れているのには興醒め。インタビューも今一つ。書くことはそれほどなかったということか。2016/10/31
スプリント
12
宇宙エレベータの夢と現実がバランスよく説明されています。すぐに実現は難しいようですが、夢がつまっています。2016/09/11